濃飛樹脂軌道

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小さな旅館にEV充電設備をつけるなら。

2018-09-22 14:50:00 | 乗り物・旅行・グルメ
自身昭和情緒を好む旅人、低圧受電の旅館・民宿に泊まる機会が多いですが、設備的に一般住宅に毛が生えた程度。大抵EV充電器はなく、あっても200Vコンセント1つだけ。
これでは電気自動車が複数台来ても、引込幹線容量も経営体力も小さいため対応は難しいです。
そこで1晩で2台まで充電できるEVコンセント充電回路を設計しました。
想定条件は低圧受電10kW前後、ピーク時の容量余裕4kW以上、電灯回線は100/200V、玄関前の駐車スペースは2台以上。
※画像は充電回路の概略図(電気工事士向け)前者が自宅、後者がそれをベースにした本題の2台切替型です。

問題は料金設定。電力会社との契約は大概1kWh=30円、宿の経営面から利用料金は1時間125円が妥当。充電コンセントにタイマー設置なら時間制にする他ありません。
電力会社により昼間が高くて深夜が格安なプランもありますので、それと併用して早期に工事費回収することも考えるべきでしょう。
車種別にアイミーブMは10.5kWhで4時間500円、リーフ初期型24kWhは8時間1000円、後期型30kWhは10時間1250円…など。テスラ等55kWh以上なら一泊占有2000円が妥当
充電前に残量を確認して逆算すれば3kWhごとに端数切り上げ…自分ならこの方法で勧めます。残量半分ならばアイミーブMは2時間、リーフ初期型は4時間、リーフ後期型は5時間、現行モデルの40kWhなら7時間ですね。
大抵の宿はチェックイン16時~チェックアウト翌10時で18時間。駐車スペースが2台分あれば電磁接触器2台で充電コンセントを切替えれば2台とも充電できます(ただし1台8時間まで)。
※パナソニックの市販品11時間タイマーは「時間になれば切」「時間になれば入」があるので2回路を切り替えられます。ただし電磁接触器の制御コイル定格は100V必須。

問題は経営者の年齢…高齢だと何事にも慎重、工事費5万円以下でもいい返事は来ません。費用が出しづらい事情があるでしょう(電気工事士の常連が格安工事するなら話は別)。
ただ常連が頻繁に利用すれば可能性もあります。EV仲間を複数連れて話をすれば動きやすいが同時に充電器争奪戦も起きます(爆)
EV系SNSや宿泊予約サイトに情報を載せれば新規顧客を増やせます!充電インフラの付加価値は大きく、多少値上げしても利用者は離れないでしょう。宿泊客も一泊二食で飲酒ともなれば大概チェックアウトまで車に乗らず、時間を有効に使えます…それだけ旅館とEV充電は相性イイ!

部材は漏電遮断器・ケーブル&配線・タイマー・電磁接触器・EVコンセントのほか、充電ケーブルも必要。ヤフオク売価1万円前後の中古品で充分です。