濃飛樹脂軌道

おもちゃ修理、鉄道玩具「プラレール」、独立型ソーラー発電、電気自動車など、理系技術系の話題がメインです。

リーフe+普及の足枷は?!

2019-01-30 06:04:48 | 電気自動車
日産が大容量電池を搭載したリーフe+を発表しました。
容量の増加は40kWh→62kWh。約5割増ですが重量増で航続距離は4割増にとどまっています。

…しかも電気技術者として気になる点が幾つかあるので指摘します。
1.バッテリークーラー非搭載による電池の劣化
残念ながらリーフe+は従来モデルに同じくバッテリークーラーを搭載していません!これはショック
おそらく製造コスト削減のためでしょうが、今までリーフユーザーを苦しめてきた夏の電池劣化懸念は解消していません!
せめてアイミーブG/Xモデルやe-NV200(2/5人乗り)のようにバッテリークーラーをつけていれば過熱劣化は防げたはずだ!
アイミーブMタイプがバッテリークーラー非搭載なのはLTO型リチウムイオン電池(東芝SCiB)の広域で良好な温度特性に助けられているためで実際夏でも過熱による充電電流低下が2割程度です。
リーフは新型になってもマンガン系採用のままでしょうから、これは頂けませんな。
※もしリーフe+にSCiBが搭載されれば話は変わります…仮に62kWh機がSCiBになれば電池容量は41kWhですが劣化懸念は大幅に緩和され寒冷地での容量低下も少なくなります。実際アイミーブMで体験した寒冷地での良好な充電性能を考えれば台数限定で販売しても問題あるまい…マーケティング的にもアーリーアダプターが広めてくれそうです。当然自分も該当!

2.充電電力のボトルネック・低圧受電の限界と高圧受電設備の問題
これこそが電気技術者にしか判らないリーフe+最大の欠点でしょう!!
日本の電気事業法上、充電器設置が低コストで済む低圧受電は49kWまで!50kW以上は高圧受電必須です。
低圧架空配線が太ければ電柱への負荷も大きくなるのも判ります。

高圧6kV受電だと変電所や保安体制整備も必要…具体的には保安規定策定と電気主任技術者の選任。万一の事故時に対応できる人材や連絡体制がないとダメです。
電気主任技術者は外部委託で専門の業者に任せるのが一般的ですが、それでも経費がかかるのでEV急速充電器の出力もむやみに大きくできません。
以前バロー岐阜羽島店で見たテスラスーパーチャージャーは高圧受電キュービクルから急速充電器4台へ電源供給していました…テスラの急速充電器は80kWだから受電箱内の変圧器は300kWh程度とみた。
もし本気でリーフe+を普及させるなら高圧受電箱(キュービクル)と一体の急速充電器を出すべきでしょう!!
※電気保安業界の人間として勝手に想像しましたが、それがなければEV普及の足枷になりかねません。

3.車体の大きさ
日本の道路事情は幹線道路こそ広けど狭い路地はまだ日本各地にあります。
自宅周辺の道路は軽自動車と小型自動車がすれ違えないほど狭く、3ナンバーのリーフは基本的に選外。
妻が軽自動車を好む理由もそれですが…ラッピングを恥ずかしがるため遠出の多い我輩が使う羽目に(爆)
道路事情から愛車歴は排気量2000cc未満・車幅1.7m未満の小型車ばかり…90年代にBGレガシィやGFインプレッサに乗っていたのも当時の富士重工が大型化を避けた結果、実際同時期のモデルは非常に人気がありました。道路事情がよく伺える典型例ですww
(名クーペ・アルシオーネSVXが敬遠されたのも幅広が原因)
その富士重工がスバルになり安全性追求で車幅拡大3ナンバー化…水平対向エンジン好きも道路事情には勝てず、さらにスバルオリジナルの軽自動車もなくなりスバリストを辞めました。
やむなく三菱へ乗換、eKスポーツ・アイミーブに出会ったのが運の尽き(爆)
今一番欲しいのはアイミーブの後継車種。eK-MiEV(仮)が出れば注目に値します!これもSCiB搭載なら十分価値あり