江戸時代~ お正月に当代随一の俳人、小林一茶のもとへ、ご近所の方が頼みにやってきました。「先生、〇月△日の婚儀の席にふさわしい句を一つ、つくっていただけませんでしょうか?」一茶は快く引き受けます。その当日、当時スーパースターである小林一茶から一句いただけた司会者は、鼻高々に紹介します。「引き続き、一茶翁からのお祝いの句がいただけます」 そして、一茶が詠んだ句は、「 親が死に、子が死に、孫が死ぬ、ありがたきかな 」 その瞬間、参列者の表情が凍りつき大騒ぎになりました。「死とは何ことか!一茶は気でも狂ったか!」 もちろん、深く読み取らなければなりませんね。こんなにめでたいことはないという意味です。今でも、師匠クラスの落語家に愛されているベタな句です。 本年も宜しくお願いいたします。元旦