昨晩のダウンタウンDX。 ゲストの武田鉄矢さんが、若かりし頃の高い声から、現在の低い声に変えた理由を述べられていました。 「セリフを言う場合、低くて太い声の方が、聞く側の耳に正確に届く」からだそうです。 並行して、アメ横の店頭や築地の競りで、だみ声商売されている方も、客の注目をひき内容を正確に伝えることができる、という話を聞いたことがあります。元々は、目立つために競い合って声をつぶすようですが、それが功を奏しているわけです。
先日、旧知の男性患者さんが来院されました。お歳は僕より若干上、別段変わった様子はなく、表情は朗らかでしたが、健康診断で初期の食道がんが見つかったそうです。以前は、本人にがんの告知はされず、家族も隠し、だまし、と辛い日々を送ることを余儀なくさせられました。今更ながら、がんの告知が習慣化され本当によかったと思います。管見を述べるなら、告知は患者に今まで生きてきた道を振り返る機会を与えてくれるように思えます。それは決して後ろ向きなことではありません。自分が何をしてきたかを振り返ることは、自分が生きてきたあかしを探し求める旅でもあるからです。さらに、がんは言わずもがな、不治の病ではありません。がんと向き合い、自分の運命を受け入れることで、治療に対する前向きな姿勢が生まれ、その後の人生への大きな糧になると感じます。