朝、医院に行ってPCを立ち上げるとヤフーニュースに「マイナ保険証 閣僚協議急きょ延期」の見出しが目に留まりました。
そこで、サクッとそのニュースに対するコメントを書き込んだら数時間で10000以上のいいね!が付きました。
返信コメントも100件以上。
こんなに反響があるとも思わず、ものの30秒でサクッと書き込んだので足りないところを少し捕捉します。
通常、我々が往診をするときは通常の保険証や医療受給者証を往診先のお宅で見せてもらって保険証の番号や負担割合などをメモして帰って、医院でカルテの表紙を作ったりします。
毎月末に締めて、レセプト(診療報酬明細書)を作ります。
それを送ると診療報酬が医療機関に振り込まれるのです。
これが通常の(旧来の)保険証が廃止になってマイナ保険証だけになると、往診先のお宅でマイナカードを見せてもらっても保険の種類も番号も負担割合も判らないのです。
医院の窓口の顔認証カードリーダーにマイナカードを入れて顔認証するか暗証番号を入力する必要があります。
患者本人が来院できないから往診するわけで、そうなるとマイナカードを借りて医院に持って帰らないとならないのです。
顔認証ができない(患者本人が医院の窓口に居ない)ので暗証番号の入力が必要になります。
つまり、マイナカードを借りて、その上、暗証番号も教えてもらわないと資格確認ができないのです。(マイナカードと暗証番号をセットで他人に渡す事に!!)
往診専門医なんかだと月初めに1日で5枚ぐらいのマイナカードを預かる事になるでしょう。月に100件の患者さんを往診したら100枚のマイナカードを月の初回に預かって次週にお返しするなんて煩雑な業務になります。それが毎月繰り返しになります。
往診車に置きっぱなしにはできませんので、その日に預かった物と前回借りていて返す物を10枚抱えて訪問先(往診先)を行ったり来たり・・・。
考えただけで、紛失事故が起きそうです。
また、独居の高齢者や高齢夫婦から聞いた暗証番号も正しいとは限りません。
暗証番号入力を数回間違うとマイナカード自体がロックされるそうです。現状、ロック解除は本人が市役所などに出向いての手続きが要るそうです。
寝たきりの高齢者や障碍者を市役所に連れて行けるでしょうか?
とにかく各医療機関や訪問看護ステーションなどに携帯通信型カードリーダーでも配備しない限り、在宅医療が破綻するシステムです。
携帯型のカードリーダーの必要性は政府も知っており、造るとは言っていますが何の情報もありません。
返信コメントに「歯科医師のスマホに専用アプリを入れればいいじゃん!」という内容のものが有りましたが、医院窓口の顔認証カードリーダーも専用回線をわざわざ引いてセキュリティを意識した造りです。
歯科医師個人のスマホで使ってるキャリアの回線や、訪問先のWi-Fi回線とは別のルートになっています。
やはり、専用の回線にアクセスできる携帯通信型のカードリーダーが要るでしょう。
マイナ保険証は頭から反対していません。
往診という医療機関の日常に対して環境が整っていないのにマイナ保険証に一本化して旧来の保険証を廃止にするには時期尚早だと言っているのです。