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今回の旅の最後は浄瑠璃寺(京都府)。
岩船寺から山道を下って到着するとここは観光客でいっぱいです。
浄瑠璃寺の庭園をはさんで本堂と向かいあう国宝三重塔は1176年京都から移されたという美しい塔です。
横に長い本堂の九体阿弥陀堂も国宝。九体の阿弥陀様をおまつりしてあるので九体寺(くたいじ)とも言われます。
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堂内は光を抑えてうす暗い中にずらりと並ぶ阿弥陀様、そのうちの2体は修理のために運び出されていてお留守でした。ご本尊のひときわ大きな金色の阿弥陀様にお参りしてから私の本命、吉祥天女像を見せていただきました。鎌倉時代の作で秘仏となっており決まった期間しか見られませんが丁度秋の開扉時期にあたりました。
像高90㎝、今も彩色の残る立像。写真家の土門拳氏は「日本一の美人である」と評されたとか、多くの方が一目見て恋に落ちたとか言われています。
しもぶくれの豊かな頬、くっきりした切れ長の眼、細く長い眉と小さな唇は日本古来の美人です。唇に残る紅色に心惹かれると言われた方もありましたが、暗い厨子の中ではそこまでは分からず想像して見上げていました。
厨子の中に立たれる天女に立ち止まる方は少なくて、ひとりでゆっくり拝見できました。
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ここで気になったのがオバサマグループの笑い声や話声の大きなこと。
阿弥陀様が二体足りないと言っては笑いお賽銭の額でまた大笑い・・・それで日本人なのです。
庭園でも笑い声は響いていました・・・
この庭園で岩船寺でスケッチしていた男性にまたお会いしました。
「岩船寺でも描かれていましたね」と声を掛けると描きあがった水彩画を見せていただけて
「昨日談山神社で描いたのがこれ、ここが描けたら新薬師寺に回ります」と吉野在住の方でした。
男性の後ろで私も一枚。私はF1サイズなので15分ほどで終わり。「早いですね~」と言う声に振り返るとシニアさんがずっと見ておられたとか。「時間をかけると描き過ぎちゃうので」と。
私の前で描いている方はF6サイズで丁寧にまだまだ時間がかかりそうでお先に失礼。その方にキャンディーを1個いただきなめながら浄瑠璃寺を後にしました。
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入り口にある食べ物屋さんはどこも満席。昼食はまた非常食のアンパン一つ。
13:46発のバスに乗り14:09には近鉄奈良駅に戻りました。
名古屋までの高速バスは15:15発、それまでに商店街の王将で天津飯の昼食。
それでもまだ時間があるのでフラフラと急坂を登って行くと興福寺北円堂に出ました。
興福寺の金堂や五重塔、南円堂を眺めて休憩。
今回はどこでも鹿にあわなくて塔ばかり訪ねた旅だったなと思いました。
バスは時間きっちり出発してほとんど眠っているうちに名古屋駅のビル群の灯りが見えて到着。
家に着いたのは7時少し前でした。
怪我もせず迷惑もかけず無事に帰宅出来て一安心。
いつ行っても素晴らしい奈良、また機会を作って出かけたいと思います。
「秋の奈良へ」は終わります。読んでいただき有難うございました。