三流読書人

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NHKという組織

2004年12月20日 10時24分55秒 | 教育 
 12月19日、NHKテレビは、夜9時から2時間15分にわたって「NHKに言いたい」という番組を生放送した。NHKの英断には敬意を表する。
 しかし、正直言って焦点がよくしぼれず、実りある討論になったとは思えない。
 出席者は海老沢勝二会長・ジャーナリスト鳥越俊太郎・連合会長笹森清・テレビマンユニオン副会長今野勉・経営委員会堀部政男・前全国消費者団体連絡会事務局長(現雪印乳業社外取締役)日和佐信子・経済同友会代表幹事北城恪太郎の各氏と司会田中直毅氏。
 わかったことは、経営委員会というものが全く機能していないということ。委員自身は経営委員会が最高の意志決定機関だと言っているが、年間700万円の報酬をもらい月2度ほど2時間程度の会議をやるだけという名誉職のような存在であり、海老沢会長の首を飛ばすことなどとてもじゃないができるわけがない。殆ど仕事せずに報酬をもらってる言ってみればパラサイトである。
 鳥越氏はさすがに厳しく迫ろうとしていたようだが、不完全燃焼ではなかったか。
 テレビマンユニオンの今野氏の発言は視聴者と番組をつくる現場の人の結びつきというかコンセンサスをどう強いものにしていくかが大事、そして権利として受信料を支払い、共同でNHKを作り上げていこうという意味の内容だったと思う。
 日和佐氏、長年の消費者運動の立場からもっと厳しく迫ってもらいたかった。
 田中直毅氏、北城恪太郎氏、いなくてもよかった。
 笹森氏は、所詮連合の、という先入観があるのでどうも素直に聞けないが、かなり厳しい発言をしていたようだ。
 結局は海老沢会長は辞めるとは言わず。
 全国で3900万件の加入者がいる。受信料不払いを表明している件数は11万数千件。微々たるものだという認識がNHK上層部の判断のようである。
 しかし、現場で営業や製作にあたる労働者の危機感、不安感はどうなのだろう。
 一方で、今の民放のひどさはどうだ。民放が限りなく堕落、低劣、愚劣な番組作りをしていることが、せめてまだNHKの方が、という多くの人々に、お金を払ってでも、まいいか、と思わせ、それにNHKがあぐらをかいてきたということなのだろう。
 NHKが政治的に中立であるなどとは、幻想にすぎない。政府自民党のプロパンダでしかないということは、NHKの経営そのものが自民党あるいは自民党的政治に牛耳られる仕組みになっている今の状況が続く限り変わらない。
 民放もただで見せてもらってると思ったらあきまへん。CMにかける莫大なお金も、もとはといえばわれわれの懐から出てる。
 民放もまた公共放送であることを認識しなければならない。公共の電波を使って「一億総白痴化」(故大宅壮一氏が言い出した言葉だけれど精神医学的に問題がある使い方であるなら取り消します)をますます進めている。
 民放の監視をほったらかしにして、NHKだけを良くしようと思ってもできるわけがない。
 これだけは肝に銘じておこう。

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