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平和の申し子たちへ 泣きながら抵抗を始めよう  なかにしれい

2014年07月16日 17時01分43秒 | 
毎日新聞7月15日付夕刊2面に次のような詩が掲載されていました。この詩と関連する記事が7月10日毎日新聞東京夕刊に掲載されたのだそうです。是非15日付夕刊を手に入れて記事とこの詩を読んでください。私は涙を流しながら読みました。
 

平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう
2014/07
毎日新聞 2014年07月10日 東京夕刊 掲載
集団的自衛権行使容認が閣議決定された7月1日、毎日新聞からの依頼によりなかにしが書いた詩の全文です。
題名は「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」。
「僕自身も泣きながら、ですから。日本がこんな国になってしまって悲しくて仕方ない。特定秘密保護法を先につくって、次は集団的自衛権。『戦争だから』と自由に発言できない時代はすぐそこです」(なかにし 毎日新聞記事より)

「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう

 二〇一四年七月一日火曜日
 集団的自衛権が閣議決定された
 この日 日本の誇るべき
 たった一つの宝物
 平和憲法は粉砕された
 つまり君たち若者もまた
 圧殺されたのである
 こんな憲法違反にたいして
 最高裁はなんの文句も言わない
 かくして君たちの日本は
 その長い歴史の中の
 どんな時代よりも禍々(まがまが)しい
 暗黒時代へともどっていく
 そしてまたあの
 醜悪と愚劣 残酷と恐怖の
 戦争が始まるだろう
 ああ、若き友たちよ!
 巨大な歯車がひとたびぐらっと
 回りはじめたら最後
 君もその中に巻き込まれる
 いやがおうでも巻き込まれる
 しかし君に戦う理由などあるのか
 国のため? 大義のため?
 そんなもののために
 君は銃で人を狙えるのか
 君は銃剣で人を刺せるのか
 君は人々の上に爆弾を落とせるのか
 若き友たちよ!
 君は戦場に行ってはならない
 なぜなら君は戦争にむいてないからだ
 世界史上類例のない
 六十九年間も平和がつづいた
 理想の国に生まれたんだもの
 平和しか知らないんだ
 平和の申し子なんだ
 平和こそが君の故郷であり
 生活であり存在理由なんだ
 平和ぼけ? なんとでも言わしておけ
 戦争なんか真っ平ごめんだ
 人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない
 たとえ国家といえども
 俺の人生にかまわないでくれ
 俺は臆病なんだ
 俺は弱虫なんだ
 卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない
 しかし俺は平和が好きなんだ
 それのどこが悪い?
 弱くあることも
 勇気のいることなんだぜ
 そう言って胸をはれば
 なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか
 怖(おそ)れるものはなにもない
 愛する平和の申し子たちよ
 この世に生まれ出た時
 君は命の歓喜の産声をあげた
 君の命よりも大切なものはない
 生き抜かなければならない
 死んではならない
 が 殺してもいけない
 だから今こそ!
 もっともか弱きものとして
 産声をあげる赤児のように
 泣きながら抵抗を始めよう
 泣きながら抵抗をしつづけるのだ
 泣くことを一生やめてはならない
 平和のために!

なかにしれい オフィシャルサイトから

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