伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

和紙イベントが続いた3月、今日でとりあえず忙しさの山を越えた

2023年03月26日 | 遠野町・地域
 和紙漉きの体験は、アクアマリンふくしまのアクアマリンえっぐの改修にともなうイベント企画で、伝統工芸遠野和紙・楮保存会が開き、希望者にはがき大の和紙を漉いていただいた。ご利用くださった、また、展示を見ていただいたみな様、ありがとうございました。

 想定した体験希望者60人に迫る人数に参加していただいた。最初の写真は、最後の体験者の時のもので、比較的余裕があるが、午後2時頃までは体験スペースがすし詰め状態で、目が回るような忙しさだった。

 この企画は、福島県のいわき地方振興局の声かけもあり準備されたもので、最初、アクアマリンとの打ち合わせに出席したことから私が実施要綱を考えることにした。

 要項では、3つの漉き舟(といっても桶)を用意し、1サイクル40分で1つの舟につき2人に漉いていただき花等を使って装飾していただくという想定に基づくものだった。9時前から準備を始め、会場を設置し、漉き舟に紙料(水とコウゾの繊維とネリを混ぜた物)を準備が終ったと思ったら、もう体験開始の時間。息つく暇なく体験会に突入した。慌ただしい始まりだったのだが、体験会実施の経験不足からくる1体験サイクルの見込み違い(短いまたは人数が多い)から、開始当初は相等にあたふたし参加者にご迷惑をかけたかもしれない。だとすれば大変に申し訳ない。

 また実施前、現在の地域おこし協力隊が着任した後、紙漉き体験で役に立つ道具は揃えてこなかった。こうしたことから道具の作成も必要だった。漉いた和紙からの脱水装置、脱水装置にかける際に紙をのせる網製の台、乾燥装置の3つは最低限必要だった。発注して作ると予算もかかるので、下手でも自分で作ることにした。網製の台にだいたい3日、脱水装置に2日、乾燥装置は一斗缶とサーモスタットの活用とういアイデアをいただき、試験をしただけで作成時間はかからなかった。後に記載する「遠野のかけら展」の前後から1週間ほどかかったことになる。



 実施前の期日も含めて慌ただしく実施した体験会だったが、当日は参加された保存会のみなさんが自ら仕事を分担していただき、腰掛ける暇もなくせわしく動いていただいた。何とか無事に終ることが出来たのは、この会員のみな様の行動にあったと思う。要綱発案者としては心から、心から、心から、感謝したい。

 ともあれ、紙すきを体験した子ども何人に聞いたが、紙漉きは「楽しい」と答えてくれた。親ごさん達も、子どもの楽しむ姿を喜び、一緒に装飾することを楽しんだりしていた。その言葉が、その様子がほほえましくうれしかった。

 さて、さかのぼること1週間、17日と18日には、遠野和紙工房「学舎」の隣の建物の「遠野アートギャラリー」で、地域おこし協力隊員の平子めぐみさんと小林祐子さんの作品が展示された「遠野かけら展」が開かれた。初日は雨模様(2日目は好天)の中だったが両日で80名程が観覧に訪れてくださったようだ(というのも両日とも展覧会を手伝いながら学舎で作業をしていたのではっきり分からなかった)。









 普段はほぼ使われていない施設だが、たぶん開所当時から展示のため設置されていた農機具等を片付けて広々とした室内空間とし、遠野町のじゃんがら念仏盆踊り大会で使う提灯のための電灯を天井に設置、コウゾの皮をむいた後の枝を利用した柵や障子戸を遠野和紙で張り替えるなど室内を整備してみると、これがなかなか良い雰囲気の展示空間が広がった。そこにテグスで吊り下げ宙に浮く作品を演出した。協力隊員と保存会メンバーのアイデアと共同作業で出来上がったどことなく山小屋風の空間と展示は、なかなか素敵だった。

 やればできるんだなーとひとしきり関心。

 展示された作品は、遠野町の1場面を切り取ったイラストと遠野の風物や景色に題をとったデザイン画で、入遠野出身の映像作家が作ったそれぞれの場所等を記録した映像が流された。

 アンケートを見ると、展覧会はおおむね好評だったようだ。

 展覧会が閉会した18日、夕方の空に花粉光環が浮かんでいることに気がついた。



 前日の雨の刺激で、この日は大量の花粉が飛散したようだ。「遠野のかけら展」を彩る光の環。この場面も「遠野のかけら」の1つに違いない。戸外にも大自然が作り出す作品の世界が展示されていたとは驚きだった。

 さて、忙しかったのはこれらに先だったワーケーション事業や3日に独自に行った菊判和紙漉きの実施などだけが原因ではない。最大は、コウゾの皮から剥き出す白皮の量が多かったことにある。何度か本ブログに書いているが、皮から白い皮を剥き出す「しょしとり」をする際に白皮の点検と残ったごみ等を取り去る作業をしている。これがけっこう時間がかかり、白皮がどんどんたまる傾向がある。





 その作業がイベントの準備や対応で中断した結果、やるべき作業がたまってしまうという悪循環ができあがり、繁忙に拍車がかかったのだ。
 しかし、それも今日まで、これからは通常ペースで遠野和紙のボランティア活動に取り組めそうだ。 


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