伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

防災訓練

2018年09月01日 | 災害
 防災の日の今日、各地で防災訓練が実施されたニュースが流された。

 いわき市でも各地域で実施され、居住する遠野町では、豪雨により土砂災害の危険が高まったという想定で根岸地区を対象に実施された。

 地区の災害本部が立ち上がり、根岸地区の住民が自家用車の乗り合わせ等で、避難所が開設される上遠野小学校体育館に参集。名簿記載など必要な手続きを体験した。







 集合後は、消防署の遠野分遣署の職員の指導による消火訓練等が実施された。

 水消火器を使った訓練では、消化器はあくまで初期消火で使用し、退路を確保・確認しつつ消火に当たることが説明された。初期消火の目安は、天井に達する火勢かどうかで、天井に達するような火勢まで燃え広がった場合の消火域による消火は困難という。

 また、てんぷら鍋などの消火の場合、鍋を狙うのではなく背後の壁を狙うこと、また、油に対する使用の場合、消火剤を散布した場合、飛び散る恐れがあるため、離れた所から始めて徐々に近づいていく方法で消化するようアドバイスがされた。



 消火器の処分方法の質問があり、消化器リサイクル推進センターを活用するか、インターネット等で処分業者を検索し、依頼することなどが説明された。古く、下部がさびたような消火器で消火剤を噴霧すると破裂の恐れがあり、注意するよう説明された。

 火災の際に気を付けなればならないのは、動転するからか、熱さを感じないことだという。これは隣家火災の体験者に聞いた話だ。消火活動に夢中になっている時には、熱さを感じず、駆け付けた消防署員に注意された時に、初めて熱さを感じたという。熱い空気を吸い続ければ、気管のやけどなどにつながり、命にかかわる事態になりかねない。良く記憶しておきたいものだ。

 水消火器の使用体験後は、止血方法、骨折の固定方法、けが人等の搬送方法などの説明がされた。

 止血は、タオルやガーゼ(なければ何らかの布で良いと思う)をかぶせた傷口を、ビニール手袋などで手を保護した上で圧迫すると良いという。手袋がない場合は、レジ袋やビニール袋で代用することも可能。



 出血は5分程で固まると言われるので、たびたび確認して傷口を開くようなことはせず、出血の状況はタオル等への血のにじみで判断すると良いという。

 鼻血の場合、傷口を直接圧迫することはできないが、血液を飲み込まないように下を向き、小鼻を圧迫すると良いという。小鼻の部分には毛細血管が集中しており、8割がたの鼻血はこの部位からの出血で、この方法で大概の出血は収まるという。下を向いて止血しても、口内に血液が流れ込むことがあるので、吐き出した方が良いという。

 骨折した場合の、雑誌を利用した固定方法が説明された。前腕の場合だが、手首の関節を固定できるように雑誌を巻き付け、布等で雑誌の両端を結わえ付け固定する。その後、幹部を三角巾等で首から吊り下げて固定するという。





 雑誌の固定にはラップも使用でき、ラップで首に固定することも可能だという。



 さらに首にかけて固定する際には、ある程度の大きさのレジ袋も使用でき、袋の脇にハサミを入れて切り開き、持ち手の部分首にかけ固定する。





 固定のための雑誌は、例えば雨傘を代用することも可能。身近にあるものを上手に活用すること。これが、骨折の固定術の神髄のようだ。

 けが人等の搬送方法は、まず1人の場合、けが人の上体を起こし、背中側から両脇に手を差し込み、けが人の片方の上腕を両方の手でつかみ、けが人の尻を浮かせて引きずる。その際、けが人の尻の下に座布団等が敷いてあると楽に運べるという。



 毛布等があれば、その毛布等の対角線上にけが人を寝かせ、両脇からくるむ。けが人の頭の方をくるくると巻き、これをつかんで引きずっていくと良い。




 肩に担ぎ上げる用法もある。立つことができるけが人等の場合だったと思うが、まずけが人の片腕をつかみ、別の腕を股に差し込んで肩を密着させ担ぎ上げる。担ぎ上げた後は、股に差し込んだ手でけが人の片腕をつかむ。こうすることで、搬送する人の片腕が自由となり、避難作業をしやすくするという。

 

 おんぶも搬送方法の一つ。その際には、けが人等の腕を交差させることで、ぐらつきを抑制し搬送しやすくなるという。



 2人で搬送する場合、一つの方法は、1人がけが人の両脇、1人が足を持ち上げる方法で、この場合は、けが人の足を交差させると良いという。



 もう一つの方法が、2人でけが人を抱き上げる方法で、搬送する人が向き合ってけが人の腕を肩にかけ、けが人の太ももと背中を保持して持ち上げ、搬送する方法が説明された。



 次に道具を作る場合だが、物干しざおと毛布でタンカを作る方法だ。

 毛布を広げ、短い辺のほぼ3分の1に竿を置き、毛布でくるむように端を折り曲げる。次に折り曲げた毛布の端の内側にもう1本の竿を置き、まだ折り曲げていない部分とともに竿を包み込むように折り曲げる。これでタンカは完成だ。人を乗せてしっかり運ぶことができる。





 竿がなくても、毛布の端をくるくる巻きつけ、この部分を持ち手にしてけが人等を搬送ることも可能だ。



 ただしこの際は、4隅と腰の部分で計6人の運び手が必要となる。

 以上が、今日、学んだ内容だ。

 訓練の対象区域になった根岸の区長は、伝えたことと違った行動もあるなど「伝達の難しさを感じた」という。また、土曜日の実施だったために仕事等で参加できない人もおり、多くの住民に体験してもらうことの必要性を感じたという。

 大雨特別警報が発令され、実際に避難行動をとる人は3%にすぎないという。分遣署長は講評する中で「土砂災害で土砂はすぐに押し寄せる」と、早めの非難の大切さを訴えた。

 災害はいつ来るか分からない。今日の訓練が、これからに活きることを望みたい。

 閉会式で、一言挨拶をさせていただいた。



 入り口で渡していただいたうちわ、じゃんがら年ぶ盆踊り大会のうちわですが、私の番号は135番、おそらく(抽選で)はずれのうちわが配布されたものと思います。災害に当たることがなく、はずれてほしいと思うので、今日の訓練にピッタリのうちわなのかなと思います。

 ただ災害は、いつもはずれてくれるわけでなく、当たることもあるので、今日のような訓練を繰り返ししていくことが大切なのだと思います。

 私、毎年、こういう形で訓練に出席し、先程の止血方法等の説明など、何回か聞いているのですが、3分の1(思わずそう言ってしまったが、実際にはもっと)は忘れている。それだけに繰り返し、訓練して、いざの際に自然に体が動くようにしていくことが大切なのだと思います。

 今日の訓練を契機に、地域のみなさんにでも話し合っていただき、住民のみなさんのいのちと安全が守られていくようにがんばっていただくことを期待して、一言あいさつにさせていただきます。




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