伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

遠野和紙・楮保存会ボランティア

2023年02月08日 | 遠野町・地域
 川畑の今年の楮は太く育った。
 通常の刈り採りは「太丸」という剪定バサミを使うのだが、このハサミでは刈り取ることができないため、やむなくのこぎりで刈り取るケースが多々あるほどだ。枝は根元で切断するが、その直径は65mm以上はあると思う。



 枝は和紙工房「学舎」に持ち帰って、押し切りで長さ75cmに切り分ける。



 これを大釜で2時間ほど蒸して、あたりにサツマイモのような香りが漂い始めたら皮の剥き頃だ。

 むいた皮は少し冷まし、束ねて竿にかけ、乾燥させる。
 蒸しと黒皮むきの合間に、皮の表皮(黒皮と甘皮)を剥ぐしょしとりを行う。「しょしとり」はたぶん「ひょうひとり(たぶん表皮取り)」が訛ったもの。茨城の産地では「ひょうひとり」と呼ぶらしい。



 しょしとりは、水にさらして柔らかくした皮の表面の黒皮とその下の甘皮部分まで包丁を入れて少し削ぎ、削いだ皮をつまんで剥ぎ取る。剥ぎ取れなかった皮は包丁で削いで落とし、通常のサツマイモの身程度の色合いの白皮を残す。

 私は、昨日も今日も、こうしてみなさんが作った白皮を点検し、はぎ落とした皮や汚れがないかなどを点検・除去する作業をしている。多勢に無勢で、少数で作業をしているため白皮がたまり、今日、最後の作業を終えたのは3時半頃だったろうか。しょしとりが終ってから1時間程後のことだ。

 最後に、これまでは捨てていた細い枝の皮のしょしとり、この場合は黒皮と枝の付け根のでっぱりを削ぎ落とすだけだ。緑色の甘皮は残す。この皮を煮熟(炭酸ソーダを加えて煮込み皮の汚れを落とす作業)すると若干黄色っぽい成分は残る。だが、十分に紙漉きに活用できそうだ。

 今年は、枝の実活用部分を使い始めたことで、枝の生育が良好だったことも加えると、収量を昨年以上に確保できそうだ。
 喜ばしいことだ。

 楮の枝が残る畑は、深山田の畑のみになった。
 イベント関係をのぞくと、もう少しで刈り取り、しょしとりの作業は終りそうだ。


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