三大明神ウインドファームは、いわき市遠野町と三和町・内郷高野町の境にあり、湯の岳(593.6m)から天狗山、三大明神山、二ツ石山、鶴石山と連なる尾根に作られている。具体的には三大明神山から鶴石山までの尾根沿いに最高到達点が143mとなる、国内でも最大級の風車が9基設置されている。
風車は1基あたり最大4,200kw(1万2,000世帯分)を発電し、東北電力のネットワークを通して供給されていくという。
竣工式は8号機の基部に設置された大型テント内で行われた。この風車は式典のために停止されていた。他の風車はそれなりの速度でブレード(羽)が回転していた。その付近にはブンブンと音が響いていたので、平穏な環境で式典を実施するためには風車を止めるしかなかったのだろう。
さて、式典には会社が用意したマイクロバスで出かけた。車中の社員の説明では林道は大型車両の通行が可能なように整備され、環境影響評価に関する説明会では、盛り土が必要な個所に使う土は風車を設置する場所等の整備で発生した残土を利用するとしていたので、そのような方法で盛り土しながら立派な林道を作ったのだろう。
今日は、要所要所に警備員を配置しながら車を通行させていた。しかし、通常は、林道の入り口を閉鎖しカギをかけておくのだという。たぶん尾根歩きの登山客は通行できるのだろうが、車などで自由に山に入ることはできなくなるということらしい。
会場に到着後、竣工式が始まった。遠野町大平の熊野神社の神職が斎主を務め、祝詞奏上、玉串奉てんなどの神事が粛々と進められ、発電施設の安全な運転を祈った。
終了後には、運転中の6号機か風車の全貌を見た。鶴石山に向かっては5号機から1号機、はるかに遠くには、いわき市川前町小白井と川内村の境付近にある万太郎山沿いに設置された滝根小白井ウインドファームの白い風車が小さく見えている。ここの風車は2,000kw旧で23基が設置されている。写真中の〇で記したところに風車がある。
別の場所では、田人町のユーラス田人ウインドファームが見えていた。尾根沿いからは市内が一望できると実感できて気持ちが良い。この尾根沿いを歩いてみれば、気持ちがいいのだろうなと思う。
6号機付近から見る5号機から1号機方面
6号基から8号基方面を見る
この後、スパリゾートハワイアンズで直会(なおらい)の席が設けられていたが、私はこちからは欠席し、会場に向かうマイクロバスから離れ、同社のワゴン車で湯の岳のふもとの駐車場に運んでいただいた。
振り返る
さて、同社は豊田商事が出資する資本金約181億円の会社(以前は東京電力と豊田商事で資本金300億円とされていたはずなのだが)で、太陽光発電と風力発電を、国内はもちろんアジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、世界15ヶ国に展開している。
三大明神ウインドファームの計画が遠野町で持ち上がり、環境影響評価方法準備書の関係で入遠野公民館で開かれた住民説明会に参加したのが、私のこのウインドファームとの出会いとなった。
説明会では、1基あたり3,000kwの発電能力を持つ風車を最大18基建設し、最大出力5万4,000kwの風力発電所とする計画で、説明後の質疑では住民生活への影響など事業の疑問点について質問していた。
2015年7月29日 入遠野地内に風力発電。環境影響評価説明会で不安聞かれる
2016年1月28日 土石流への不安など新たに語られる/遠野地区の風力発電事業で会社説明会
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