伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

ノスリ・・あれ冬鳥じゃなかったの

2021年07月10日 | 
 道路脇の電柱の上に止まっている猛禽類を見つけ、車を停めた。

 だいたい猛禽類は非常に目が良い。彼らの気にくわない動きがあるとすぐに飛び立ってしまう。車を近くに停めたら飛び立つんじゃないだろうか。窓を開けたら飛び立つんじゃないだろうか。カメラを向けたら飛び立つんじゃないだろうか。一つ一つの動作が気にかかったが、逃げ出すこともなく電柱の上で羽繕いを続けていた。





 これはトビ・・いや違うような・・。
 自宅に戻ってから調べてみた。どうもノスリのようだ。ノスリは冬にやってきて、夏になればどこかに飛び去ると思っていた。ノスリだとは夢にも思わなかったのだ。

 解説をあらためて読んでみると、日本では北海道から九州、小笠原諸島まで分布し、繁殖しているという。季節によって、日本の中で繁殖地と越冬地を移動するという。こうした行動をとる鳥を漂鳥というらしい。この移動するということを、渡りと勘違いしていたのだろう。写真の鳥が、この季節にいるということは近くに巣を持っている可能性がある。

 認識を新たにしなければ。

 ちなみに漂鳥としてウグイスが例示されていた。春先からさえずり始めたウグイスは、今でも姿を見せ元気にさえずっている。





 ウグイスは、一般的には留鳥だが、一部地域では漂鳥なのだという。寒冷地では、温かい所へ移動するというのだ。今、元気にさえずっているウグイスも、盛夏の頃にはさえずりが聞かれなくなるような記憶がある。

 繁殖期を終えるからなのだろうと思っていたが、実際、そのようだ。ホーホケキョのさえずりは、縄張り宣言、他の雄のウグイスに対する警告のさえずりと思っていた。ところがそれだけでなく、子育てをするメスに対して、縄張りに危険がないことをしらせる合図となっているらしい。

 ウグイスのオスは自分の縄張りを獲得するが、その縄張りに入ってくるメスは、何頭でも受け入れ、営巣させるようだ。地面に竪穴式のツボ型の巣を作るそうで、メスは小型の昆虫やクモを採取し運び、子ども達を一生懸命育てる。このメスたちに、縄張りに危険が無く、安全としらせるのが、ホーホケキョのさえずりだというのだ。

 このさえずりを聞いたメス達は、安心して子育てに励む。ところが、いつも安全とは限らない。ケキョケキョケキョとさえずることがある。いわゆる谷渡りだ。このさえずりは縄張りの危険を知らせるさえずりで、このさえずりを聞いたメスは、身を潜め、危険を回避する行動をとるのだという。

 このことを知ってから聞くウグイスの声は、また違った響きを持つだろう。愛犬の散歩で歩く片道1.5kmに、だいたい5つのウグイスの縄張りがある。それぞれの縄張りで、どれだけのメスが繁殖をしているのか分からない。しかし、この縄張りで必死にさえずっているオスたちが、たくさんのメスと子ども達の安全を守っているということになるのだ。

 そして、我が家の目の前でもそうだが、まだ、ホーホケキョが聞こえてくると言うことは、巣立ちを終えていない巣が、そのテリトリーの中にあるということになる。そんなことも想像しながら、愛犬の散歩に出かけようと思う。


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