伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

野鍛冶の仕事場

2018年01月04日 | 遠野町・地域
 遠野町には野鍛冶を業としている方がいます。

 以前聞いた話ですが、戦時中は、農業を支える農機具の生産の担い手となるため召集されることはなかったものの、遠野町にある防空施設で監視業務についていたといいます。

 今でも各地から様々な鉄製品の製造を依頼され、ふいごとハンマーを使って火花を飛ばしながら、注文に応じた製品の製造に携わっています。

 和船を作るための和釘の注文を受けたと以前に聞きましたが、流通に乗らないような少量需要品などが舞い込み、このような方々には大いに頼られているようです。

 我が家では包丁と出刃包丁を作っていただき利用していますが、作り手の顔が見える商品は、とても良い具合で使えます。

 さて、長年、仕事をしてきた仕事場に、とても味があると発見し、許しを得て写真に納めてきました。









 錆び色の浮かんだ道具も、野鍛冶の需要の減少という時の流れを感じさせるのですが、それよりも、横にはった柱の出っ張りに積もった塵の厚さ。これにはコークスの灰も、鉄粉も含まれていると思いますが、黒色をして時の流れをその厚さに刻んでいるように感じました。

 野鍛冶の仕事をしてきた歴史が仕事場にしっかり刻まれているんだなと、あらためてその重さを感じました。


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