伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

和紙ボランティア

2022年02月09日 | 遠野町・地域
 しょしとりは、コウゾの枝から剥きとった表皮(黒皮)がついた皮から、黒皮とその下にある甘皮をそぎ取る作業。
 私は、最近は、しょしとりの終わった白皮を、汚れが残っていないか点検した上でハンガーにかけ、干す作業をしている。その際に太陽の偉大さを感じる。日光が射す日は、白皮がどんどん乾いていくため、いわば乾燥との競争となる。



 朝からどんよりと曇っていた昨日は、乾燥も緩やかで、あせって作業をすることはなかったしかし、昼以降、雲が切れて晴れ上がったため、目立って乾燥が早くなり、あせって作業をする羽目に陥った。



 今日は朝から晴れ模様。前日から黒皮を水に浸けていた桶の表面には、5mm程度の厚さで凍りついている。夜は冷え込んだのだ。
 この水を捨て、しょしとりから作業を始める。時々、黒皮を干す段階でカビてしまった皮もある。青カビや赤カビはきれいな色合いだと思うのだが、この部分は使いものにならないので、切り捨てる。



 白皮の表面に水玉模様が浮かんでいる皮があった。初めて見たと話題になった。



 コウゾを育てる段階で、何らかの物理的な作用がかかると、皮にその痕跡が残る。例えばツルが巻き付いた跡だと思うが、らせん状のごく薄い黒ずみが見えることがある。

 とすると、この水玉模様は何なのだろう。想像をかき立てるが、分からない。

 しょしとりが進み、一定程度の白皮がたまったら干す作業に入るのだが、頃合いを誤った。結構、みなさん作業が早く、少々たまりすぎた。
 戸外で作業を始めると、1枚、1枚と作業を進めていくと、進むほどに皮が乾いていくのが分かる。それほど温かい。汚れとりにも若干手間がかかるので、皮がたまっていく。あせあせと追われるように作業を進めた。

 2日間で9時間程の作業で、黒皮約28kgを処理して白皮を作った。

 気がつくと、空に月が浮かんでいた。



 半月だ。

 しょしとりの後は、いつものように紙漉きの前段階の作業となるちり取り作業を手伝った。水で戻し、煮沸した白皮を、水にさらし、汚れやごみを取り去る作業だ。水の中でちりをとるのだが、以外と手荒れはしない。それどころか、作業後は手がすべすべする。どうして?

 夕刻、学舎を辞する。皮を剥いたコウゾの枝で文字が残されていた。
 「楮」。誰が残していったのだろう。


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