伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

EMにかかるツイートの拡散にびっくり

2015年10月31日 | ネット
 昨日読んだ「ニセ科学を見抜くセンス」(左巻健男著、新日本出版社)にかかわって、2件をツイッターにツイートしました。

伊藤浩之 ‏@itou6011 · 10月30日
福島県議長会主催の研修会で郡山にでかけた。往復のバスの中、「ニセ科学を見抜くセンス」(左巻健男著、新日本出版社)を読んだ。「宗教に近づいた」というEM、かける言葉で結晶の状態が変わるという「水からの伝言」、地震雲――「なぜ」の好奇心を持つことがだまされない秘訣。面白かった。

伊藤浩之 ‏@itou6011 · 10月30日
考えればEM菌に疑問を持ったきっかけは、随分前だが小名浜市民会館で比嘉照夫氏の講演を聞いたことだった。EMを練り込んだタイヤは減らないと言う。車は路面とタイヤの摩擦で止まる。減らないタイヤは摩擦が少ないと考えざるをえない。これでは事故の元。そんなばかな話はないと思った。


 これが私のアカウントとしては異例の数でリツイートが続きました。

 前者のリツイート(拡散)が34件、お気に入りに登録が18件、後者のリツイートが226件、お気に入りに登録が68件(午後10時15分)に達しました。著者の左巻さん名のアカウントもリツイートしてくれていました。



 これだけの反応があったというのは、よっぽどこの問題、特にEMに対する関心が高いということを示しているのでしょうね。

 EMはもともとは農業用資材として開発された酵母や乳酸菌など環境に優しい微生物群の共生体とされ、後にこれを活用することで環境が浄化されると言われるようになり、水辺の環境浄化の目的でEMを発酵させて生じる液体「ボカシ」を川や池などに流す取り組みがされたりしてきました。

 私も昔々・・10年にもなるか、もっと前だったのか、生みの親とされる比嘉照夫琉球大学名誉教授のお話を聞くまでは、環境に優しいものなのだと漠とした思いを持っていました。

 ところが比嘉さんのお話がまるでSF。ツイートしたタイヤが減らなくなるという話だけではなく、確か、航空機に使うと排気がきれいになり航続距離も伸びるなどという効能まで唱えていたように記憶しています。

 あまりにも突飛なお話はさすがに引きました。この時にお話を聞いたのは、何かに紹介することがあるかもしれないと取材のつもりでしたが、これではとても紹介できるものではありません。

 その後、たまにEMボカシを使った水辺の環境浄化の取り組みなどの新聞記事を斜めに読んでいましたが、次にまともに出会ったのが、原発事故後にはじめたツイッターでした。

 EMXゴールドという飲料が、「体の中の放射能をなくすと友達が言っていたが、本当にそうなのだろうか」と悩んでいる内容のツイートがありました。

 ばらまかれた放射性物質から、少しでも子どもたちを守ってやりたいと、多くのお母さんたちが深く悩んでいる時期でした。効果があると言われるものがあればすがってみたい。当然の悩みでした。

 原発事故から余り間のない時期で、こちらとしても放射性物質に関する知識は薄い、おまけにこの飲料が何物かも分からない状況でした。

 ネットで検索するとEMに関するものと分かりました。

 農業用の、私の認識では肥料のようなもの程度の認識ですから、そんなものが飲料になっているなんて驚きでした。それに、その飲み物が放射能を消してしまうなんてあるのだろうかという疑念が深まります。

 で、この時は、微生物が行うせいぜい化学反応程度のエネルギーで物理現象を引き起こして、放射能をなくすようなことは考えられない旨の返信をしたことを覚えています。

 その後に学んだ知識も含めて判断するとこれだけでは答えになっていなかったかもしれません。放射性物質と結びついて体に取り込まれにくくするといわれるペクチンのように、生物学的な効果の検証も必要だったと思いますが、この時にはその知識はありませんでしたので、考えも及ばなかったわけですが・・ 。

 問題が長い間指摘されながら、それでも社会から消え去ることなく、こうして多くの方の関心を引き付けるEM。そこには「ニセ科学を見ぬくセンス」でも触れている通り、環境問題に関心を持つ善意の方々がEMに心酔していることがあるのかもしれません。

 その問題点は同書でぜひご確認いただきたいと思います。


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