伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

遠野和紙ボランティア・今シーズンのしょしとり終わった

2022年03月23日 | 遠野町・地域
 22日の降雪はひどかった。水分が多かったものだから、朝の間は水気を含んだような雪で、ボタボタと落ちていたが、やがて、フワフワと落ちる雪に変わっていった。気温も低くなった証だろう。



 作業中止は8時頃には連絡があり、とにかく雪の推移を見守る1日になった。雪が上がった夕刻に測ると10cm弱の積雪があった。朝の雪はどんどん溶けていたので、実際の積雪量は10cmをはるかに超えるものだったろう。

 そして、今日、あちこちに残る残雪をそちこちに見ながら和紙工房「学舎」に向かった。道路には、雪も、凍結もない。走行しても危険を感じることはなかった。



 学舎の前の水田も、まだ雪に覆われていた。



 作業が始まった。最後の皮は深山田の畑で採取したものだ。しょしとりは、コウゾの皮から黒皮と薄緑色の甘皮をそぎ落とす作業だが、皮がけっこう固くてそぎ落としにくいものもあった。なぜこういう皮になったのかは分からない。もしかしたら、本来1年で採取する枝なのだが、どこかの陰で採取されることなく、2年、3年と育った枝なのかもしれない。

 今回も、私はしょしとりをした枝の汚れをチェックして取り去り、白皮をハンガーにかけて干す作業をした。なぜか、みなさんのしょしとりのスピードがこの間アップしていて、白皮がたまる一方だった。これはうれしい悲鳴ということになるだろう。私の最後の作業日での、しょしとりそのものの実績は皮30枚ほどの処理となった。

 さて、昼食で作業を中断することになった。持参した昼食を、車に取りに行った際に空を見上げた。いつの間にか、空一面を覆った薄雲・・たぶん高層雲だが、ハロが浮かんでいる。しかも虹色が良く分かるハロだった。







 ボランティア作業終了後は、菊判の紙すきの練習をした。最近、地域おこし協力隊のみなさんが菊判の紙漉きの鍛錬を続けており、漉き船に紙料が用意してあるのですぐに練習できるのだ。
 この間の練習で少しコツが分かった気分でいる。

 紙をすき上げる簀桁は手前よりを持つ。簀桁には竹製のバネがつけられている。水をすくった簀桁はけっこう重い。この重さは本来、簀桁の奥のバネと腕で支えるのだが、簀桁を奥側に近くで持つと、腕で全体の重さを支えようとしてしまうのだ。この結果、簀桁の保持が難しくなって、うまく簀桁を揺すれなくなってしまう。手前を持つことで、バネの力を利用して簀桁を保持しやすくなった。この結果、揺すりもしやすくなった。

 バネを利用することができる結果、水を比較的たくさんすくえるようになった。たくさんの水を揺する結果、繊維が均質に沈着する様子を確認できるようになった。さらに水がたくさん残っているので、しっかりと水を捨てることができるようになった。この結果、余分な繊維質が簀桁の上に残らなくなった。

 もう1つは、水のすくい方。金魚すくいのようにスーと簀桁を水に浸け、手前に淀みなく引いてきたら、その勢いを保持したままポコッと簀桁を持ち上げる。こういすることで、繊維のよりなどができにくくなった。

 少しずつ、紙すきが上手になっていると思う。さらに精進したいと思う。


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