主な記事を以下に紹介します。
■一歩
教養に欠けた私ではあるが、「国破れて山河あり 城春にして 草木深し・・」という漢詩は思い出すことがある。「春望」、杜甫の作だ。漢詩に起承転結という技法があるという。今も重宝されている技法だ
▼「起」で話題を提供し、「承」で起を発展・展開させ、「転」で新たな視点から展開、「結」で締めくくる。ざっとこんな構成になる。春望は「国は荒廃しても自然は変わらず、花を見て涙を流し鳥の声を聞いて心が痛む・・」と紡いでいる。やはりこの構成に従っているようだ
▼最近「Aをした。Bが実現した」と続く文章を見た。構成は「起結」となる。AもBも事実だろう。が、しっくりこない。AがBにどう寄与したのか、その過程が見えないからだ。「承」を加えてABをつなぐ説明が必要だろう
▼本欄は特にそうだが、起承転結には十分注意をしているつもりだ。今後も、先の文章を「他山の石」として、より慎重に表現するようにしたいと思う。
■遠野の域内交通確保の実証事業が予算に
あらためて市の年度当初の予算説明書を読んでみた。市のホームページから入手できる。
中山間地に様々ある課題(市街地にも同様の課題はある)の1つとなっている公共交通の確保で、遠野町対象の実証事業の予算が確保されていた。
「事業者と連携した域内交通確保事業を実証」として、遠野域内での公共交通の仕組み作りをめざそうとしている。
この事業を市は、本年度の施策展開の柱の1つ「まちの魅力を高める」に位置づけ「みんなで創る中山間等地域交通支援事業」と名付けている。事業は「地域住民、行政、事業者等の共創」によるものとされている。事業名につけられた「みんなで」はそこらへんを表現したものらしい。
同様の事業は、三和、田人ではボランティア輸送、川前で自家用有償旅客運送事業として行われている。
遠野で行われる事業は、入遠野方面の路線バスが廃止され、交通の確保に困難がある状況の改善をめざして行われる。
しっかり効果が検証され、住民の利便性を確保する仕組みとなることが望まれる。
■市街地と中山間地に魅力の違いはあれど予算の格差に目がテン
いわき市本年度予算の柱「まちの魅力を高める」には、「まち(市街地/中山間)」の項があり、「地域おこし協力隊活動事業」が盛り込まれている。この項には、中山間地向け事業の外に、市街地再生整備やいわき駅並木通り地区市街地再開発など市街地向け事業も並べられている。その予算額を見ると、規模の格差に目がテンになる。
「魅力」を焦点に市街地と中山間地の事業をまとめているために予算規模の格差が際立ってしまった。市街地と中山間地では、その地域の特性から魅力を高める事業に違いが生じることは理解できる。それにしても、だ。
そこで思いが至るのは、もし遠野町がいわき市に合併していなかったならば、今とは違ったのではないかという話だ。良く耳にした。
もともと遠野町と古殿町には、もともとそんなに違いがなかったと思う。今はだいぶ様子が違う。その違いは、たぶん小規模自治体と広域自治体内の1地域では、行政からの見え方が違っているからではないだろうか。住民と行政の距離感の違いがありそうだ。
ただ、いわき市は広域自治体として歩んできた。距離感を縮めるためには、地域の声をまとめ、行政にしっかり届ける機能を強めることが重要なのだろう。
当たり前と言えば当たり前のことだが、本年度予算の概要を見ていて、そんなことがあらためて見えたように思う。
■編集後記
愛犬が歳を重ね、散歩を拒否する。いつも見るウツボカズラなどが咲いているだろうが、そこに届かない。自分の運動時間と写真確保のために、独自の散歩が必要そう。
「事業者と連携した域内交通確保事業を実証」として、遠野域内での公共交通の仕組み作りをめざそうとしている。
とありましたが、遠野町ではどんな交通の確保を目指しているのですか?
分かる範囲で構いませんので、お教えいただけないかなと思いまして。
よろしくお願いします。
少々お待ちください。