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いわき市議会の会派は、3人以上の所属で交渉会派として議会運営など議会内の様々な会議で採決権を持つが、1人会派(2人以下の会派)の場合、発言は認められるが、採決に参加することはできないこととされている。議員が、本会議や常任委員会での発言や議決の他、議会の運営を通しても市政に市民の声を市政に届ける役割を持っていることを考えると、少数会派を採決から閉め出すことには問題があると考えるが、現実に各地の議会は交渉会派制をとり、少数会派を様々な場面で議会運営に関われない状況になっている。
こうした中でも1人会派間では、一致する点では共同行動をとることを進めており、これまで市政に関しての勉強会などを1人会派で共同して進めてきた。今回はこれを発展させて、4会派合同で一致する要望を市政に届けることことを実行することができた。
きっかけは昨年の12月定例会で議決された、湯本駅前の公衆浴場「みゆきの湯」の廃止が議論されたこと。廃止を提案した市(執行部)に対して、湯本駅周辺の商店会から廃止の延期を求める請願が提出され、市議会内でも様々な議論がされた。採決にあたっては7会派7人が討論に登壇したが、私の知る限りではいわき市議会で最多の討論者になったほど活発な議論だった。
1人会派でも賛否は分かれた。今日要望した4会派でも、賛成が2会派、反対が2会派であったが、12月定例会が散会した後の立ち話の中で、1つの会派から住民に対する説明をしっかりするよう求める要望を市長にした方が良いのではとの提案があり、4会派が合意した。その結果として、今日の要望提出となったわけだ。
市長への要望では、原案を起案した私から要望の理由と項目を市長に説明した。
また、各会派はそれぞれ「行政と住民では施策に関する距離感に違いがあるので、しっかり説明に努めていただきたい」(正論の会)、「施策に直接関わる住民だけではなく、関わりが薄い住民にも広く説明し合意形成をはかる必要がある」(市民の会)、「施設の総合管理計画で廃止となる施設では特にていねいに説明をしていただきたい」(維新の会)などあらためて求めた。
内田市長は、「要望は重く受け止めている。住民のみなさんとは意見交換をしているなどの報告は受けていたが、説明が区長さんだけであったり、具体性をもったものではなかった。行政の言葉は、行政の職員には伝わるが、住民には伝わらない場合があり、今後、四倉の市街地再開発や小名浜でのトークシュアミーティング開始など、湯本地区と同様の問題がどんどん出てくるのでていねいな説明に努めたい」と、要望を積極的に受け止めた。
以下、要望書。
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2025年2月6日
いわき市長 内田広之 様
いわき市議会正論の会 会長 小野潤三
いわき市議会市民の会 会長 遠藤崇広
いわき市議会拓く会 代表 伊藤浩之
いわき市議会日本維新の会 会長 小野光貴
市民との協働の土台を固めながら政策の実施に当たるよう求める要望書
先に閉会したいわき市議会12月定例会では、みゆきの湯の用途廃止の議案をめぐり、賛否双方からそれぞれの意見が出され、活発な議論が繰り広げられました。
その意見を見ると、賛否それぞれに捉え方の異なる要素はあるものの、住民への周知と理解を促進する視点では共通する見方がありました。地元商店会から提出された、議案の取り下げを求める請願を重く受け止めて、それぞれの判断をしているという点です。
もともとみゆきの湯の用途廃止は、湯本町の活性化をめざし地域住民が参加して意見を交換しながら策定された、常磐地区市街地再生整備基本計画を具現化する湯本駅周辺土地区画整理事業のためのものです。その事業でもたらされる〝まちのにぎわい〟という果実は、住民に還元されるものです。
その果実を最大限に実らせるためには、住民との協働が欠かせません。これを成すためには、事業に関する情報を幅広く住民や関係者等に伝え、理解を広げることが必要です。
こうしたことから、あらためて要望書を提出し、以下について留意しながら、各種事業を進めることを要望いたします。
1.定例会で出された各議員の意見にもあるように、本年度末でのみゆきの湯廃止を含めて事業に関する情報を住民や利用者など関係者に幅広く伝えて理解を広げ、事業の成功に向けた協働の足場を確実に作ること。
2.12月定例会で問題になった地域や住民との情報共有のあり方は、今後の同種事業等にも共通する教訓を残している。今後の市が実施する各種事業においても、幅広く地域住民や関係者等に、事業等の計画の段階から進捗に応じて節目節目の段階で具体的に説明を重ねることをもって理解を広げ、住民との協働の土台を固めながら進めること。
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今回の要望を終えてあらためて思う。
以前、共産党市議団の議員・団長として活動していたときにも、思想や考え方などの違いをこえて一致点で行動することは議会の本来的なあり方だと考えて、できる範囲ではあるが、一致点での共同を広げる努力はしてきた。
今日の要望の参加議員は、自民党であったり、維新の会であったり、そして元共産党・無所属の私と、考え方には相違があるに違いない。しかし、市民の声を市政に届ける上で一致点を見いだし、その1点で共同歩調をとった。おそらく、こうしたあり方の発展が、今後の議会活動に強く求められているものと思う。
今回共同で要望を提出した会派は、一致点があれば今後もその実現のために共同行動をとる方向を共有している。うした議会、会派、議員のあり方に、市民のみなさんのご意見をうかがえれば幸いだ。
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