先日の読書会《足跡 住井すゑ》の折、図書館側が教室に住井すゑさんの著書を並べて下さっていました。
興味のある方はお借りくださいって。
有名な『橋のない川』って七巻まであるんですねぇ。
それに分厚くてとても読破する自信がないから、彼女の講演、対談をまとめた文庫本のほうを借りてきました。
住井すゑさんて、優しいおばあちゃんのイメージを抱いていましたが、
なかなかどうしてバリバリの左翼思想のお方だったんですね。
《女は複雑、男は単純。政治なんか単純なほうがいい。
だから政治は男に任せておけばいい。女には女の仕事があるんだ。》とか、
《世間の常識には囚われない、私は私の流儀でやる。》とか、
《文化人と言われている人たちは労働者や農民の寄生虫だ。》とか、スパッスパッと斬り込んでおられます。
私なんかは、「まあ仕方ないか」と世間に流されるタイプだから、ちょっとタジタジになりました。
ひとつ納得がいったのは、
《歴史のほぼ八割は権力側に有利に書かれた作り話だ。》という部分。
ここで、彼女がエッセイ『足跡』で述べていた、
《足跡は嘘のない歴史だ。足跡こそは人と大地の接点であり、人間存在の証明である。》に繋がったのです。
『土』を大事にし、生涯を通して真実を追求された方なんだろうな、と思いました。
※表題の『人間宣言』の『人間』は『じんかん』と読んで、人と人の間、つまり『全てのものに』という意味だそうです。