前回、猫の話を書き、猫の写真を2枚つけたら、それだけで、私のブログとしては、たくさんの訪問者があり、猫の持つ力に改めて驚きました。
秘められた魅力
「男って、何歳になってもバカだなあ」と思うのは、女性の魅力に対して、判断力や抵抗力などの制御が効かなくなること。何歳までバカなんだろう。少なくとも56歳の僕はまだバカです。
短いスカートの女性や、胸の大きくあいた服を着た女性には、無抵抗に目が向いてしまい、正直無視出来ない。
隠された見えない部分を見たい、覗きたいという欲望が膨らむが、偶然見えてしまう、あるいは女性側が見えてもかまわないとしか思えないような格好をしている場合を除き、さらに見ようと行動することは、犯罪の領域に踏み込んでしまう。「覗き」と言われる行動までは踏み込めないものの、偶然見えているものや見せようとしているものに対しては、正視は出来ないまでもチラチラと視線が向くことを止めることは難しい。
ここで、大切なことは、隠されているからこそ、見たいという欲望が作用するのではないかということである。
よく言われるのは、着物姿の女性の、襟から見えるうなじ。階段を登る着物姿の女性のほんのちょっとめくり上がる裾からみえる足首。うなじも足首も、そんなものどちらも普段の洋装では、見慣れているはずなのに、なぜか着物姿になった途端に、ドキっとしてしまうから不思議だ。
若い頃パリに住んでいたときに、夏に友人夫婦と3人で、電車に乗ってノルマンディーのドーヴィルというドーバー海峡沿岸のリゾートまで海水浴に行った。早速砂浜の海岸に行き、水着に着替え、ドーバーの海に身体を浸したのだが、水温が低くて我慢が出来なかった。
早々に海から上がり、砂浜に寝転ぶ日光浴に移った。
現地に行ってから気がついたのだが、トップレスの女性が少なくないのだ。これは現在から30年以上も前の話である。あきらかにお年を召された方から子どもまで、トップレスなのだ。背中を日に焼くときに、水着のブラの紐の痕が残るのを嫌がってうつぶせになったときにおっぱいが見えないようにするトップレスとは違い、最初からブラを着けず、おっぱいは、仰向け状態でも全面開放されていた。
僕と友人は、始めこそ「おおー」と声をあげ、一々トップレスに反応していたが、あまりの多さにやがてすぐに見飽きてしまった。
僕達一行は、3人並んで日光浴をした。仰向け状態で、僕らの右手にも、熟女といったグラマーな女性が、トップレスで日光浴をしていた。そして僕らが驚いたのが、僕らの左手に若い女の子の二人連れが来て、僕らの目の前で立ったまま着替えを始めたことだ。すぐ横には着替えやシャワーを浴びるための小屋があるのに、利用しないのだ。それはお金を節約するためだろうが、日本人だったら、それでも小屋の影とか、木の影とか人目を避けそうなものだ。
「まさか、この若いかわいい女の子は‥」という、僕と友人の想像を期待通り裏切り、若い女の子は、水着の下の方だけを残してさっさと服を脱いだ。そして僕の横で、その美しい乳房も含めて、全身にオイルを塗り始めた。あまりにあっけらかんとしている。
「ここまで開放的だと何も感じなくなるね」
「うん。おっぱいも男の胸が膨らんでいるだけのような気がしてきたよ」
僕と友人は、友人の奥さんの手前、そんな感想を話して、無関心を装った。その後、僕達3人は、日光浴とリゾート地の散策を楽しんでパリに帰った。
久しぶりの日光にさらされた僕の全身が日焼けで火照っていた。顔も日焼けで熱を帯びている。帰りの電車の中で夫婦並んで居眠りをする、日焼けした赤い顔の友人を見た。色白の友人の顔は、全体に赤く日焼けしているが、あきらかに右半分の焼け具合が濃いことに気がついた。きっと僕の顔も同じように、左右チグハグに日焼けしているに違いないと、僕は一人笑った。
あんなに無関心を装いながら、僕と友人は、あきらかに若いおっぱいの方が気になっていたのだ。
「男ってしょうがないね」
(2012.4.20)