マーガレットに寄す
ふるさとの草いきれのなかに咲く
ひとつのマーガレットよ
お前の花びらが白いだけに
私のこころは 恐れている
お前のからだが小さいだけに
私は目を離せないでいる
(人は冷たく
私にその花は 似合わないと言うだろう)
真夏の陽光のなかに咲く
可憐なマーガレットよ
お前の詩が強いだけに
私は戸惑っている
お前の笑顔があどけないだけに
私の胸は つらい
ああ 今日も
ふるさとの少女らに
お前はさびしく笑いかけるだろう
(誰もがお前の本当の詩を
知らないでいる)
では 私は?
ああ 悲しいことに私は
そんな少女らよりもお前を知らない
ふるさとの青い空のしたに咲く
ひとりのマーガレットよ
私はお前の白さを永遠にしたい
だから私は お前の
哀しい美しさを教えるだろう
(1972.12.2)