中学生の部活動チーム
サッカー部とバレーボール部
それぞれ2班に分けて4班
僕はバレーボール部班11人をファシリテート
彼らは互いをそれなりに仲間として
話をしてそれなりに気遣う。
小学生のそれからは少し成熟した
それなりの幼さと冷ややかさを混在させた
中庸といえば中庸な
本当に中学生らしい男子バレーボール部
引率の若い男女の先生は
典型的な体育会系の指導法で
ぞんざいであり、愛のある
いわゆる教育的指導的な
タメ口な口調を当たり前のように
奏でている。
ある程度そのプログラムの特徴を理解し
離れて写真を撮りながら
あっちのグループはこれ出来たぞ!
と少し絡んでは離れていく。
そして僕が担当した班は
どうやら保護者が甘やかしていると言う。
甘えたちゃんが多いのだと。
(女性顧問談)
だから強い口調で厳しく鍛えて欲しいと。
これを聞いて
また2人、PAを間違って理解し
間違ってインプットしたなと感じた。
そして僕の班とは違うファシリテーターが、介入による厳しいプレッシャーをかけたウォールやチームトライアングルを見ながら、
「あのチームは変わってきた」と評価している。
恐らくその指導は自分たちの指導法に類似していた為理解しやすかったのだと思う。
なかなか介入もしないユルユルの僕の班にはあきれているのか、目をくれない。
典型的!自分の日頃の指導が目の当たりにされるその不甲斐なさを見たくないのだ。
その心理状況が手に取るようにわかる。
この日、僕は覚醒していた。
この感覚は最近とても実感してきていて
かなりの率で自分の感覚としてモノになりつつある。
周りがよく見れて
参加者との距離感もベスト
そして参加者が今何を求め
彼らが何の課題を持っていてどんなアクティビティが最適なのかがポコポコ閃く。
この日もそんな感覚だった。
午前中は全くイニシアティブな事はせず
個人で遊ぶ、対決や勝ち抜きやアイスブレイクを充分と言えるほど充てた。
他の班がもうチームを意識して課題解決に入っていたのに、そしてそれが目に入ってもいたのに。
全然焦らなかった。
そんな僕ののんびりムードに歯がゆく感じたのか
先生たちはほとんど他の班の課題解決に目を取られていた。
着実に午前中にタネを蒔いた僕は
余裕を持ってゆっくり彼らと距離を詰めていく。
普段の部活の不満
普段の上下関係
チームと個人との関係性
実力主義と発言権
リーダーシップやフォロアシップ
そもそも彼らがどんな気持ちでプログラムに参加しているのか
事前に先生たちに何を言われてきたのか
休憩をしながら
1つ1つ大切な彼らの日常を引き出していく。
そして僕もチームトライアングルを試した。
すると助けることができない関係性の彼らも少しずつ心の距離が近づいていくのが見えてくる。
やっとの思いでクリアまで持っていった彼らの表情を見たときにもまだ45分くらいの時間があった。
そこでやっと閃くのだ。
トラストだわ、この子らは
そして最も簡単なホールインワンルールで関係性を確認する。楽しそうに、且つ安全に取り組む姿勢にこれはトラストシークエンスまで出来ると踏んだ。
トラストリーン
トラストダイブ
そして
隣のファシリテーターに許可を取って
トラストフォール
そこで起こった1つの出来事がラストの彼らの繋がりに導かれていく。
さすがにその活動の派手さに写真を撮っていた先生も目を離し続けていた為に
その活動の意図も流れもそして重要なのは彼らの成長さえも見逃している。
未だにリーダーシップは誰々が取っているだの、講師への態度がどうのだの表面的な言動しか見ていない。
もう先生への不信は悲しみに変わり
生徒たちの眼差しに僕の興味は移っていた。
トラストフォール
1人のヒョロッとした男子
全員がほぼまっすぐ倒れるのに対し
恐怖が先立ち手を振りほどき
お尻から落ちる。
僕がリベンジしてみたい人?
と聞くと本人も周りも彼にチャンスを譲り
2度目のチャレンジ
「もうこれだけでチャレンジできてるよ」と声をかけ納得できると良いなと思いながら見ていた。
するとまた手を振りほどきお尻から
他のメンバーはその危険を察知し真剣にキャッチ
バレー特有のドンマイのジェスチャーなのだろうか?手のヒラ同士を握手するようにすーっと撫でる。
それは映画「スタンドバイミー」で少年たちが仲直りの儀式で行なっていたジェスチャー。
僕はそれを見ただけでも感動していて
彼らはそのお尻から落ちる男子を受け入れているのだ。
先生たちは本当に見えていないと思った。
確かに関係性の中でキツくあたる部分もある。
しかしあのジェスチャー
あの場面を先生たちはどう見るのだろう?
当たり前の光景でバレーでは常識なのだろうか?
そして振り返り
円形になり椅子に座り
1人ずつ感想を言うだけ
何の変哲も無い。
1分間の沈黙を作り目を閉じただけ
順番に感想を聞いた。
例の男子が少し涙ぐみながら
「自分は(トラストフォールが)出来なかった」と最後に付け加えた。
僕はココだ!と思い
静かにしている他のメンバーにこう問いかけた。
「彼はできなかったと言ってるけど、みんなはどう思う?」と。
するとエースアタッカーが
「もっとおれたちを信じていいよ」
(こいつホンモノのエースアタッカーや)
別の明るい笑顔の男子が
「思い切り頼っていいんじゃない?」
(こいつホンモノのムードメーカーや)
それを他のメンバーが聞いている。
僕は何となくこうなることを知っていたような気がする。
彼らが少しだけ本当の意味でのチームワークをやんわりと体感するという未来を。
そして最後にトーキングスティック(ニワトリ)を渡された男子が、詰まりながら自分の言葉で語った。
「バレー好きな人の集まりだと思っていたけど、バレーとか関係なく、俺たちはチームだと感じた」と。
そしてニワトリは僕の手元に帰ってきた。
僕は何も言わずに活動を閉じた。
トントンパンパンもワムサムサムも
一本締めもない。
感動していた。
そして「なんか最後にバレー部の締めないの?」と委ねた。
シンプルな礼と声の揃ったありがとうございましたを貰った。
また爽やかな風とともにヒグラシがうるさく鳴いていた。
サッカー部とバレーボール部
それぞれ2班に分けて4班
僕はバレーボール部班11人をファシリテート
彼らは互いをそれなりに仲間として
話をしてそれなりに気遣う。
小学生のそれからは少し成熟した
それなりの幼さと冷ややかさを混在させた
中庸といえば中庸な
本当に中学生らしい男子バレーボール部
引率の若い男女の先生は
典型的な体育会系の指導法で
ぞんざいであり、愛のある
いわゆる教育的指導的な
タメ口な口調を当たり前のように
奏でている。
ある程度そのプログラムの特徴を理解し
離れて写真を撮りながら
あっちのグループはこれ出来たぞ!
と少し絡んでは離れていく。
そして僕が担当した班は
どうやら保護者が甘やかしていると言う。
甘えたちゃんが多いのだと。
(女性顧問談)
だから強い口調で厳しく鍛えて欲しいと。
これを聞いて
また2人、PAを間違って理解し
間違ってインプットしたなと感じた。
そして僕の班とは違うファシリテーターが、介入による厳しいプレッシャーをかけたウォールやチームトライアングルを見ながら、
「あのチームは変わってきた」と評価している。
恐らくその指導は自分たちの指導法に類似していた為理解しやすかったのだと思う。
なかなか介入もしないユルユルの僕の班にはあきれているのか、目をくれない。
典型的!自分の日頃の指導が目の当たりにされるその不甲斐なさを見たくないのだ。
その心理状況が手に取るようにわかる。
この日、僕は覚醒していた。
この感覚は最近とても実感してきていて
かなりの率で自分の感覚としてモノになりつつある。
周りがよく見れて
参加者との距離感もベスト
そして参加者が今何を求め
彼らが何の課題を持っていてどんなアクティビティが最適なのかがポコポコ閃く。
この日もそんな感覚だった。
午前中は全くイニシアティブな事はせず
個人で遊ぶ、対決や勝ち抜きやアイスブレイクを充分と言えるほど充てた。
他の班がもうチームを意識して課題解決に入っていたのに、そしてそれが目に入ってもいたのに。
全然焦らなかった。
そんな僕ののんびりムードに歯がゆく感じたのか
先生たちはほとんど他の班の課題解決に目を取られていた。
着実に午前中にタネを蒔いた僕は
余裕を持ってゆっくり彼らと距離を詰めていく。
普段の部活の不満
普段の上下関係
チームと個人との関係性
実力主義と発言権
リーダーシップやフォロアシップ
そもそも彼らがどんな気持ちでプログラムに参加しているのか
事前に先生たちに何を言われてきたのか
休憩をしながら
1つ1つ大切な彼らの日常を引き出していく。
そして僕もチームトライアングルを試した。
すると助けることができない関係性の彼らも少しずつ心の距離が近づいていくのが見えてくる。
やっとの思いでクリアまで持っていった彼らの表情を見たときにもまだ45分くらいの時間があった。
そこでやっと閃くのだ。
トラストだわ、この子らは
そして最も簡単なホールインワンルールで関係性を確認する。楽しそうに、且つ安全に取り組む姿勢にこれはトラストシークエンスまで出来ると踏んだ。
トラストリーン
トラストダイブ
そして
隣のファシリテーターに許可を取って
トラストフォール
そこで起こった1つの出来事がラストの彼らの繋がりに導かれていく。
さすがにその活動の派手さに写真を撮っていた先生も目を離し続けていた為に
その活動の意図も流れもそして重要なのは彼らの成長さえも見逃している。
未だにリーダーシップは誰々が取っているだの、講師への態度がどうのだの表面的な言動しか見ていない。
もう先生への不信は悲しみに変わり
生徒たちの眼差しに僕の興味は移っていた。
トラストフォール
1人のヒョロッとした男子
全員がほぼまっすぐ倒れるのに対し
恐怖が先立ち手を振りほどき
お尻から落ちる。
僕がリベンジしてみたい人?
と聞くと本人も周りも彼にチャンスを譲り
2度目のチャレンジ
「もうこれだけでチャレンジできてるよ」と声をかけ納得できると良いなと思いながら見ていた。
するとまた手を振りほどきお尻から
他のメンバーはその危険を察知し真剣にキャッチ
バレー特有のドンマイのジェスチャーなのだろうか?手のヒラ同士を握手するようにすーっと撫でる。
それは映画「スタンドバイミー」で少年たちが仲直りの儀式で行なっていたジェスチャー。
僕はそれを見ただけでも感動していて
彼らはそのお尻から落ちる男子を受け入れているのだ。
先生たちは本当に見えていないと思った。
確かに関係性の中でキツくあたる部分もある。
しかしあのジェスチャー
あの場面を先生たちはどう見るのだろう?
当たり前の光景でバレーでは常識なのだろうか?
そして振り返り
円形になり椅子に座り
1人ずつ感想を言うだけ
何の変哲も無い。
1分間の沈黙を作り目を閉じただけ
順番に感想を聞いた。
例の男子が少し涙ぐみながら
「自分は(トラストフォールが)出来なかった」と最後に付け加えた。
僕はココだ!と思い
静かにしている他のメンバーにこう問いかけた。
「彼はできなかったと言ってるけど、みんなはどう思う?」と。
するとエースアタッカーが
「もっとおれたちを信じていいよ」
(こいつホンモノのエースアタッカーや)
別の明るい笑顔の男子が
「思い切り頼っていいんじゃない?」
(こいつホンモノのムードメーカーや)
それを他のメンバーが聞いている。
僕は何となくこうなることを知っていたような気がする。
彼らが少しだけ本当の意味でのチームワークをやんわりと体感するという未来を。
そして最後にトーキングスティック(ニワトリ)を渡された男子が、詰まりながら自分の言葉で語った。
「バレー好きな人の集まりだと思っていたけど、バレーとか関係なく、俺たちはチームだと感じた」と。
そしてニワトリは僕の手元に帰ってきた。
僕は何も言わずに活動を閉じた。
トントンパンパンもワムサムサムも
一本締めもない。
感動していた。
そして「なんか最後にバレー部の締めないの?」と委ねた。
シンプルな礼と声の揃ったありがとうございましたを貰った。
また爽やかな風とともにヒグラシがうるさく鳴いていた。