山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

こびとのともしび(さんぽうた63)

2021年03月21日 | いきもの

  こびとのともしび  あせび ふうか

わたしは
はるのにわに ともる
ちいさな あかり

ゆうぐれのころ
こびとたちが
わたしをつれて
おにわをさんぽする

かぜのやさしいひがいいよ

ひがしずんだら
そうっと
おにわを
のぞいてごらん

こびとたちが
わたしといっしょに
あるいているよ

そうっとだよ

こびとはこわがり
ひとにきづいたら
かくれちゃうからね

そうっとだよ



咲き始めです


 当地でもようやくアセビが咲き始めました。

何とも言えない可愛らしい花です



どっちから見てもいいねえ


 この花を見ると、色々な連想が膨らみます。それと同時に、必ず思い出されるのが、堀辰雄の随筆。春の奈良での、「あしび」との出逢いと思い入れが書き込まれていたことが浮かんできます。
 何十年ぶりかで本を引っ張り出して読んでみると、昼間の可憐な姿と、夕べのちょっとけだるいというか妖艶な姿とが描かれていました。そんなことから浮かんできたのが、「ふうか」さんの灯火です。
 随筆の中では、「あしび」の香りについての描写もあったので、近づいて嗅いでみると、何とも上品な甘い香りがします。この辺も、万葉びとたちに愛されたゆえんなのかもしれませんね。
 いい花です。