山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

有終のナメコタワー

2022年12月02日 | キノコ採り

 秋のキノコ採りも最終盤。つい先日、『キノコ山』に続いて『K川』閉山。残る採り場は、『O』だけだ。

 一応説明しておくと、春と夏は、海抜の低いところからやって来て、秋と冬は、海抜の高いところからやって来るのが自然界の原則。『O』が最後に残ったということは、他の採り場よりも海抜が低いためと考えて間違いないだろう。

 で、中長期予報が降雪・積雪の警告を発し始めた中で、唯一天気の良さそうな本日、山に出掛けることにした。明日以降、平地は雨でも、山岳地帯は雪になる可能性大。行くんだったら、「今でしょう!」というぐらい気合いが入っている。多分、同行のA氏も同じ心境じゃないかな(残念ながらT氏とは日程が合わなかった)。

 そんでですね、気合いが入りすぎたのか、集合・出発時刻が早すぎたみたい。当然、目的地への到着時刻も早すぎた。まだ、稜線が明るくなりかけたばかりなのだ。

 長時間かけて遙かなる採り場をめざして歩く、ライバル多数のタケノコ採りなら、ヘッドランプ装着もありだけど、そこまでしゃかりきになる必要のないナメコ採り。のんびり、ゆったりと身支度を整えて明るくなるのを待つ。すごく良い天気なので、日の出よりも早く明るくなり、行動出来るだろう。ただし、気温は氷点下。防寒対策は必至だ。

 周りの様子も見えるようになってきたので、斜面を降りる。第一目的地は、前回見置きしてきたナメコのツブだ。

 目的の立ち枯れに辿り着くと、

       ナメコタワー!!!

 1週間で、見事に成長していました。

 ここで、若い頃の我々なら、見境なく手を出して採りまくっていたんですけど、さすがにベテランと言うか、老境に入った二人は冷静に状況判断をする。

「まず、手の届くところ採るから、落ちてきたら拾って。」

「OK!」

       ナイフで切ってペットボトルで受ける

 A氏の新兵器が登場する。マタギならタモ網で受けるけど、これも悪くない方法だ。

 既に、かなりの収穫になった。今度は、高い所。伸縮自在の鎌とタモ網を駆使しつつ、下で取りこぼしたキノコをすくう。失敗すると、キノコは奈落の底に落ちてしまう。

 切り落とす方をA氏に任せて、マタギは、下でキャッチする役に回ってみた。これが、面白いんだわ。

「もっとゆっくり!」

「ああ、ゴメンゴメン。」

などと言葉を交わしながら、前半はマタギが落ちてくるナメコをタモ網ですくう。

 この面白さ、なんと言ったらいいのかな。一番近いのは、上棟式って言うやつだ。こちらでは『建てまい(え?)』と呼ばれているけど、屋根の上からご祝儀の餅や5円玉が、ばらまかれるのを拾う感覚。ただし、地面に落とせないから結構夢中になる。途中に障害物があるし、力の入れ加減でも落ちてくる向きが変わるから、それを冷静に読んでキャッチするのだ。

 途中で交代しながら、二人して遊び続けて、この木だけで20分ぐらい楽しませてもらいました。

 ここから、自慢大会。

       ちょっと古い

       まだまだ食べ頃のムキタケ

       なんだこれは!

       まるで

       ロールプレイングゲームではないか

 次々にナメコの群生。

       倒木にも生えている

 そして、

      ラスボス登場!

       この高度感、伝わるかな?

 今シーズン、この山に最初に入った時に、『酸っぱい』と言って諦めたナメコタワーです。何倍にもグレードアップして我々の前に立ちはだかっています。まるで、

「採れるものなら採ってみろ!」

と、言わんばかりです。

 しかし、本日は、二人とも必殺の新しいアイテムを持っているもんね。

「ライダー、変身! トオッ!」

そして、

「ライダー、ダブルキック!!」

新アイテムを最大限に活用して、2人がかりで戦えば、怖いものなしです。

 多分、これで最後になるだろうと思って臨んだナメコ採りでしたが、すごく面白くて、思いがけない大収穫になりました。これだから山遊びは、止められないんだよね。

 ホントは、もう1カ所回る予定だったんですけど、もう十分。帰りましょう。

 山の神様、今年もありがとうございました。どうか、来年も楽しませて戴けますように。

 神様に御神酒を捧げて、二礼二拍手一礼

 ・・・この日記は、雪が降り出す直前の記録です。ぎりぎりセーフでした。



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