山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

どのわたしがすき?(さんぽうた143)

2022年05月21日 | いきもの

  どのわたしがすき?    おおで まり

 

あなたは

どの わたしがすきなの

 

ちいさいときの

かわいいわたし

ゆめいっぱいなの

 

すましはじめた

とんがったわたし

とおくからみまもってね

 

おおきくなった

はなやかなわたし

どこからでも ごらんになって

 

どのわたしでも

たのしんでいいのよ

らいねんも さいてあげるから

 

わたしは

こんなわたしを

 

ぜんぶだいすき!

 

 

       季節とともに咲き始めたオオデマリ

 可憐で華やかな花です。

 職場周辺を散歩するマタギが、心惹かれてしまう花の一つです。

 春の散歩では、次から次へと新しい草花や動物たちが顔を出し始めるので、つい見落としてしまうのですが、今年は、『マリ』さんの花の生長をカメラに収めることが出来ました。

       小さいときの『マリ』さん(4月です)

       すましている『マリ』さん

 最初の画像もそうだけど、この時期は、色の変わり始めで、ガラス細工のように綺麗です。そして、

       今の『マリ』さんの様子です

 どの時期の『マリ』さんも素敵ですね。こうして、長い期間、目を楽しませて貰えただけで嬉しいです。

 これから季節が巡ったとしても、また来年、春が来たら、素敵な姿を見せて、楽しませて下さいね。

 今年もありがとう。


初物コシアブラは、直球勝負で

2022年05月20日 | 山菜料理

 今回連れ帰った頭上の山菜、コシアブラにタラノメ。

       結構多いです

 雪の中を歩いてきた割に多く採れたのは、地上から離れた場所に生えるからだと思います。

 さて、こちら様は、どうやって戴きましょうか。N川からタラノメを持ち帰ったときには天ぷらにしたんだけど、今回の主役はコシアブラ。美味しく戴くには、・・・。

   ポクポクポクポク チ~ン

     ≪やっぱり天ぷら≫

 誰がなんと言おうと、コシアブラの食べ方で一番美味しいのは天ぷらですよ。せっかくの初物、一番美味しい調理の仕方で応えるのが礼儀ってもんだ。それでは、始めましょう!

 下ごしらえの部

 ・基部の木質部と『ハカマ』を外すのは、タラノメと同じです

       こちらがコシアブラ。次の画像と比べてほしい

       こちらがタラノメ、太くて基部が丈夫

 ※コシアブラの場合は、木質部を切りすぎるとバラバラになるので注意

 ・タラノメは、太いので、熱の通りをよくするために十文字に切れ込みを入れます

 ・衣を準備します

 ※卵黄1個分+冷水=300mlに、薄力粉300と片栗粉80mlを振るいかけました

 ・軽く混ぜて

 調理の部

 ・衣を潜らせた山菜を140~160℃の油温で揚げていきました

 ※前の素材を揚げ始めたら、次の素材をスタンバイ(一度に揚げる分だけ)

       流れ作業のように次々と揚げては油切りしていき

       はい、全部揚がりました

 実は、裏番組でもう一つの料理を作っていました。

   ≪コシアブラのナムル≫です。天ぷらにはちょっと長すぎる物を選びます。

 ・1分半ほど茹でて

 ・水にさらして、水分を絞ったら

 ・食べやすい長さに切って

 ・ゴマ油と白ゴマ各大さじ1にニンニクチューブ少々と顆粒だし・塩・砂糖一つまみずつ加えて和えてみました。

       本日の夕食

 コシアブラとタラノメの天ぷらに、ウドのドンコロ煮、赤コゴミのおひたしに、コシアブラのナムルです。

 これは、『山菜尽くし』と言ってよいでしょうかね。それぞれの山菜の個性を十分に味わうことが出来ました。その中でも、コシアブラとタラノメの天ぷらは特に旨い!やっぱり、直球勝負はいい!初物は、一番美味しい調理法で戴くのが王道ですよ。満足です。

 返す返すも、山の神様に感謝です。ありがとうございました。


初物ウド料理は、ちょっと変化球

2022年05月19日 | 山菜料理

 本日の収穫物は、3種類。

       ウドと

       タラノメとコシアブラです

 ウドもコシアブラも今シーズンの初物です。

 これって、季節が進んでいることの証明ね。嬉しいことこの上なし。早速、調理に取りかかります。まずは、ウドから行ってみましょう!作るのは、

   ≪ウドのドンコロ煮≫

 初物で、しかも、これだけの高品質だったら、この(山形の郷土)料理しかありません。で、調理を始めようとしたら、

「ジャガイモもニシンもないのよ。」

という妻の言葉。

 ハイ。早速、買ってきましょう!

 近所のスーパーに行くと、身欠き鰊はすぐに手に入ったんだけど、ジャガイモが選べない。店員さんに聞いてみた。

「すみません。メークインみたいな溶けないジャガイモが欲しいんですけど。」

「ご免なさい。メークインは、ないんです。だけど、これも溶けないと思いますよ。」

と言って指さしたのは、丸々としたジャガイモ。北海道産だそうだ。ま、何とかなるんじゃない。カートに入れて持ち帰る。これで、準備OKですね。始めましょう!

 下ごしらえ・調理の部

 ・ウドは洗ったら、先端の葉や、根元の皮とを外して寸切りに

       旨そうです!

 ・身欠き鰊(ソフトタイプ)とジャガイモも食べやすい大きさに切ります

 ※ウドは400g、ニシンは4本、ジャガイモは中を3個です

 ・鍋に入れたら調味料を加えます

 ※酒醤油みりん各50mlと砂糖30mlに顆粒だし適量です

 ・水を注ぎ足してヒタヒタになったら加熱

 ・沸騰したら火力を落として煮詰めていきます

 あれれ?

       ジャガイモが溶けてる!

 まるでシチューです。「おいおい!」と思ったんだけど、まあ、こうなってしまったからには仕方がない。これで完成としましょう。

       冷めるのを待って鉢に移動

 よく見ると、ジャガイモだけでなくウドも溶けてるみたいだから、煮詰め方に問題があったと考えられますね(煮込む時間が長くなった)。ただ、食べてみると、ウドとジャガイモとニシンの味がよく絡んでいて、すごく美味しいです。次は、水と火加減にジャガイモ選びを工夫して、味はこのままで、見た目の良いドンコロ煮を目指したいと思います。

 そして、ドンコロ煮で使った部分から外した先端部ですが、別の料理にして楽しませて貰いました。

  ≪ウドのオリーブ炒め≫

 だいぶ長くなってきたので、あっさりと。

 下ごしらえ・調理の部

 ・芯から外した葉と枝をひと茹でしました(約3分)

 ・水にさらしてから寸切りにして水を切っておきます

 ・フライパンにオリーブオイルを敷いて加熱

 ・短冊に切ったベーコンと一緒に炒めて

 ・油が回ったら、ちょっとコンソメ顆粒を加え、一つまみの塩コショウして、もう一炒め。

 簡単です。

       出来上がり!

 摘まみ食いした妻が、

「何、これ!?」

と叫んでいました。マタギも同感。かなりいけると思います。

 発想は、セロリ料理の応用なんですけど、この料理の仕方で美味しく仕上がることは間違いないと思いました。

 やっぱり、いろいろと試してみるものですね。一般的にはマイナーな山菜かもしれません。でも、工夫の仕方によって、料理の可能性は広がっていくみたいです。

 『山菜料理と言ったらこれ!』みたいな定番も大事にしていきたいと思います。でも、今時の台所の環境は、だいぶ進歩しているように思います。昔の人達が考えつくことも出来なかった調理が試せる時代でもあるのかもしれないよね。

 山の神様とともに、技術と情報の進歩に感謝です。

 ありがとうございました。そして、ご馳走様でした。


雪の多い年は豊作?

2022年05月18日 | 山菜採り

 『雪の多い年は豊作』

 そういう格言みたいなものが当地にはある。広い山形県の、私が知っている各地の人達が言っているから、信憑性の高い言葉なのだと思う(大雪と戦った冬の苦労に対する報いを求めたい気持ちも含まれた言葉なのかもしれない)。

 で、この冬は大雪でした。

 だったら、豊作なのかな。そういう期待を抱きながら各地の山菜を採り歩いているんですけど、確かに豊作のような気がするし、そうでもないような気もする。ちょっとモヤモヤしていたんだけど、今回の山菜採りで、何となく真相が分かってきた気がするので書き留めておきます。

 今回訪れたのはS川。1週間あまりの間が空いての訪問だ。前回は、倒木と残雪に圧倒されて帰ってきた。

「採れないかもしれないけど、どうなっているか見ておきたいんだ。」

とマタギが言うと、

「俺も行く。」

という返事。A氏との同行が決まり、1年ぶりにS川の渓底を探訪することになった。

 そして当日。林道は、倒木と落石と残雪とで埋まっていて、とてもでないけれど車は入れません。これは、想定通り。林道入り口付近に車を置いて歩き始める。

 埋まっているとは言え、林道を歩くんだから、前回のI川と比べたら遙かにラクチンです。足元や頭上の季節の進み具合を点検しながら渓の降り口へ。

 多分、これまでで残雪の量は最大でしょう。

 急斜面を枝に捉まりながら降りていくと川床に着いた。今年も地形・沢の流路とも変わっていた。昨年以上に土砂の流出と堆積が進んでいる感じ。斜面の下方には、まだ雪がたっぷりと残っている。

       やっぱり雪は多い

 ただ、頭上の山菜は、それなりに育っているみたい。

       タラノメのシルエット(まだ暗かった)

       雪渓の上の様子を観察

       何かを見つけたようです

       何が出ているのかな?

「お~い。出てるよ!」

と声がかかる。どれどれ?マタギも登ってみる。

       おおっ、食べ頃ですね!

       こっちのは根が深そう

 これは「貰い!」ですね。

       今シーズン初物のウド

 斜面の上の方から顔を出し始めていました。下の方は、まだ早すぎるものや、『ウドガラ』(去年の茎の残骸)だけの場所も多数。更に下は、雪です。

 ふむふむ、次回の訪問は、1週間以上の間が空くけど、問題なく楽しめそうですね。

 そうして、コゴミの広場へ。

       食べ頃のものと

       出始めのものと

まだ、顔を出していない株も多数ありました。マタギは前回採ったばかりなので採らなかったんだけど、前回採らなかったA氏は、いいところを選んで採っていました。

「ここまで様子が分かれば、俺は満足なんだけど、戻ってもいいか?」

「俺もこれでいいよ。」

「じゃあ、戻りますか。」

戻るといっても、引き返すのではなく、そこから斜面を登って林道の上流部に入るということです。その間にも収穫がありますから。

       食べ頃のコシアブラを戴きました

    カタクリが花盛り(カタクリの開花と山菜の旬は重なることが多い)

 林道にも日が射してきました。

       林道を覆い尽くす残雪

       遙かな月山にも日が射していた

 ああ、楽しかった。今回の収穫物はそんなに多くないけれど、季節の進み具合を実感できた気がします。ちょっと詳しく言うと、雪の多い年は、雪の消えた順に山菜が出るから、雪がなくなるまで、長い期間、山菜採りを楽しめる。ただし、頭上の山菜(タラノメ・コシアブラ等)は、雪の消え方よりも日差しや気温の影響を受けるので、意外と早く出たり遅く出たりする。今年は、平年より早いと思う。

 雪が多い年は、確かに地上を潤す水分が多く、しかも、長く供給されます。それだけで、生き物にとっては大いなる恵みになるはずです。この辺りの条件を加えて考えると、『雪の多い年は豊作になる』のも、当然のことなのかもしれません。

 いずれにしても、このような恩恵に与らせて戴けていることに感謝しかありません。

 山の神様、天気の神様、ありがとうございます。


武神の丘の花ツツジ

2022年05月17日 | 日記

 山形にも、かっこいい神社があるじゃないの。そう気付いたのが結構大人になってから。その名は、『上杉神社』

 世の中に、色々な神社があるけれども、この神社に祀られている神様は、『上杉謙信』です。

 かなり大きくなってから、

「ええっ?『謙信』って人間じゃないの!?それが、なんで神様なの?」

という矛盾に気付いた。

 調べてみると、明治維新の『神仏分離』という施策の中で色々あって、謙信は神様になったのだそうだ。

 でも、マタギとしては、全然違和感なし。何てったって、『謙信』と言ったら、『生ける武神』と思えるほどの天才武将だしかっこいいじゃない(特に『GACKT』の謙信は、神がかってた!)。

 それに、日本って、もともと『八百万の神』の国じゃありませんか。人間が神様に昇格したって、全然問題なし。むしろ、こういう方が神様なら大歓迎ですよ。何てったって、いまだに地元のヒーローですからね(念のため付け足しておくと、名君『上杉鷹山』も、ちゃんと神様になっています)。

 そんでですね、最近知ったんですけど、このお方も神様になって近所にいらしたんですよ。それは、

    総理大臣よりもネームバリューは上かも(画像はネットより拝借)

このお方です。

 なるほどね。このお方も『生ける武神』だったお人だ。それは分かるんだけど、なぜか我が職場のすぐ傍の丘に祀られているんです。

 理由を詳しく書くと長くなってしまうので、超手短かにまとめると、明治維新の時、織田信長の子孫が当地を治めていたからです。

 その神社がこれ。

       建勲(たけいさお)神社

 今も宮司さんがおられるようで、手入れが行き届いています。

 石段の下を見ると、

       武神が神様になられたことがよく分かる

 ここからが本題です。昨日、ネットのニュースを見ていたら、ここのツツジがすごく綺麗で一見の価値ありだよみたいな情報を手に入れたんですよ。で、勤務日程を見たら、明日が昼休みつきの勤務日じゃない。これは、見に行くべきでしょう!ってことになったのです。

 そして、当日。

       『人間将棋』の会場から山を下る

       草いきれのする桜の園から踏み跡を下る

       シャガが咲き乱れている

 神社に着いたので、お辞儀と拍手をして散策開始。すぐに見つけた。神社の北側だ。

       おおっ、これは!

       ちょっと遅かったかもしれませんね

 多分、最盛期には、ここが絶景のスポットになるんだろうな。今年は、ちょっと遅れたみたいなので、来年に楽しみを残しておきましょう。

 休憩時間は、昼食時間も含めて全部で1時間しかないから、少しペースを速めて車に戻ることにした(昼休みに歩くには少々ハードなコースです)。

 でも、途中でも、思わず足が止まってしまうんだなあ。

       色々なツツジがあるんだね

 これまでのマタギは、「ムラサキヤシオが咲いたら、タケノコも伸びはじめる。」みたいな目でこの種を見てきたけど、普通に鑑賞するためにこの花を眺めることも楽しいということが分かりました(今までゴメンナサイ)。

 それにしても、職場のこんなに近くに、こんな素敵な庭園が広がっていることに感動です。

 これは、武神様に感謝でしょうか。

 ありがとうございました。