河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

節分

2016年02月03日 | ZIZY STARDUST
「目つきがおかしいし、目が黄色くなっている。もう完全に狂っていますね。
もし、八田四郎が人間だった場合は保健所で毒殺。
アンドロイドだった場合は粗大ゴミとして粉砕。
これでいいでしょう。」

「お、おとうちゃんは、なんも悪くないんや、
悪いのは貧乏と合法危険薬物である酒とグーグルとアンドロイドとインテルとスマホや。
それと、一見善人のように見えるザッカーバーグとかビルゲイツやとか製薬会社や。
おとうちゃんのせいにせんといてえな。
悪いのはこの世界の構造そのものやろ」

「八郎君、この世界の裏には、もう一つ闇の世界が併行して存在してるんだよ。
そのことに気づかないふりをするのが大人になるってことなんだよ。
君も早く大人になって、電力会社などの大企業に就職して、
老後はいっぱい厚生年金をもらうことだな。
それが人生の幸福ってもんだよ」


誰しも、人の心には鬼が住むものだという。
豆を撒かれた鬼は、その時は痛がって逃げるが、
その豆に水をやり、栄養豊富な豆苗として育てて食べて、
鬼はまたすぐに元気になるのだという。

海が聞こえる

2016年02月03日 | ZIZY STARDUST
「今は地球温暖化と同時に氷河期に入ってますからね、
エアコンは生活に必要な物でしょう。それにスマホも電話と同じですからね
今の福祉局の規則からすると贅沢品とはいえませんね」

「じゃあ、貯金して海外旅行してもいいんですね」

「まあ、貯金できるほどの支給額があるかどうかですね」

「とし子、安心しろ、今年の夏は海に無料でバカンス旅行に行けるぞ。
しかもすぐそばにある海だ」

「ど、どこですか、その海は、五島列島ですか」

「今日、歯医者に行ったらな、『あなたのアゴの中にきれいな丸い形の海があります』
と言われたんだ。家族三人くらいなら充分泳げるそうだ」

「それって『海』じゃなくて『膿』なんじゃないですか
日本語が不自由なあなたには難しいでしょうけど」

「でもな、膿といっても海と同じような塩分濃度でアミノ酸も豊富だから、
そこから生命が誕生するかもしれない。
三葉虫と一緒に泳ぐなんて最高じゃないか
頭を揺すると、今も海の音が聞こえる」


チヤポン、チヤポンという頭蓋骨の海の音を聞きながら、八田四郎は眠りについた。
夢の中の海岸はコートダジュールの水色の波しぶきが足元に寄せて、
僕はブイヤベースの匂いに引き寄せられた黒猫のような気分だった。