河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

小豆島への旅 復活編6

2016年02月27日 | ZIZY STARDUST
小豆島までアオミドリウミガメで泳ぎ渡ろうとした八田二郎は直島のあたりで疲れ果てていた。

「神様、私は本当は鎌倉とか湘南のリゾートマンションみたいなところで
朝から海を見て、シャンパンを飲んでイベリコ豚を食べていたいのです。
月収は100万円程度でいいのです。
車はプリウスの新型で充分です。掃除機もダイソンで充分です。
こんな、些細な夢さえ、神様はかなえてくれないのですか。
だったら『神』とは何なのですか」

「よくぞ質問してくれた。八田二郎よ、幸福や裕福など誰にでも簡単に実現できる事だ。
不幸や貧困や病気をじっくり味わえるのは選ばれた人間だけの特権なのだ。
その貴重な少数の人間に、おまえが選ばれた事に感謝するがいい。
神はすべてを見ておる。
おまえは、飢えや貧困、不幸や絶望の側を見るためにこの世に転生してきたのだ。
その事を忘れるな。
不幸はフォトショップで諧調を反転すれば幸福になる事を忘れるな
でもフォトショップだけが画像ソフトじゃないぞ
アドビにだまされるな
あんなのは印刷業界の陰謀に決まっている」


そういうと、神は高松から土庄までのフェリーのチケットをプレゼントしてくれた。
これでもう冷たい海を泳がなくても済むのだ。
フェリーの中で暖かい讃岐うどんが食べられるのだ。

小豆島への旅 復活編5

2016年02月27日 | ZIZY STARDUST
「先生、さっき、ミドリガメだと海で生きるのは難しい、との指摘を受けました」

「二郎さん、なあに、慣れの問題だよ、東京でさえ、住めば都さ、空気汚染の北京だって
慣れればユートピアだよ。
でも、どうしても、ミドリガメに不満なら、もう一度CTにかけてあげよう。
放射線被ばく許容量はとっくにオーバーしてるけどな」

「お願いします、今度はアオウミガメにしてください」

「私からの提案だが、ミドリとアオのグラデーションにして
ブルーグリーンガメというのはどうかな。
これなら海水でも淡水でも生きられる」

「お願いします。息子にも息子の嫁にも孫にも見放されました。
もう、人生、どうでもよくなりました。
もちろん人ではなくカメの人生ですが」


再びCTのトンネルに入った八田二郎は、
なんだか、会社にあった、コピー機の上に乗ってる気がした。
下のトレイに自分のコピー画像がどんどん出力されて、
シュレッダーで裁断され、燃えるゴミとして袋詰めされて、
毎週火曜日にゴミ置き場に捨てられるのだと思った。
最大の問題は青と緑のグラデーションの境目が上手く表現できるかどうかだった。