その頃、八田四郎は、三途の川でまだ立ち止まっていた。
「ねえ、番人さん、地獄への道は3方向しか無いんかなあ」
「あっ、真上に見えるマンホールからはバラナスの路地に出られるよ。
ガンジス川のほとりだから、あそこまで行けば天国に行けるかもしれん
でも、天国に行けるのは心と体の軽い羽根のような人々だけだがな」
「じゃあ、なんで、みんな天国に行けないんだい?」
「握りしめている六文銭の重さで空を飛べないんだよ
六文銭さえあれば、とりあえず地獄でもそれなりに普通に暮らせるからなあ
完璧な幸福や理想や永遠の平和とか、そんなものは多くの人間にとって
さほど必要無いんだよ」
「わかる、わかるよ。時々災害があって、戦争があって、原子炉が爆発して、
人が死んで、また頑張るほうが、神様としても見てて面白いだろうしね。
わても、地獄行でええわ。そのかわりひとつお願いがある。
わての骨はアダマンチウム合金だから、ホームセンターで高く売れる。
そのお金を番人さんにあげるから、わての目玉だけを無縁仏の墓のほうに
投げ込んでくれないか、お願いするよ」
「わかった、意味不明だが、今後の展開が見えそうな気もするよ。
気をつけてな」
ルテインとアントシアニンを充分に補給した、四郎の目玉は、希望に輝いていた。
来世では、ブルーベリー農家になるのだと、ひそかに決意していた。
「ねえ、番人さん、地獄への道は3方向しか無いんかなあ」
「あっ、真上に見えるマンホールからはバラナスの路地に出られるよ。
ガンジス川のほとりだから、あそこまで行けば天国に行けるかもしれん
でも、天国に行けるのは心と体の軽い羽根のような人々だけだがな」
「じゃあ、なんで、みんな天国に行けないんだい?」
「握りしめている六文銭の重さで空を飛べないんだよ
六文銭さえあれば、とりあえず地獄でもそれなりに普通に暮らせるからなあ
完璧な幸福や理想や永遠の平和とか、そんなものは多くの人間にとって
さほど必要無いんだよ」
「わかる、わかるよ。時々災害があって、戦争があって、原子炉が爆発して、
人が死んで、また頑張るほうが、神様としても見てて面白いだろうしね。
わても、地獄行でええわ。そのかわりひとつお願いがある。
わての骨はアダマンチウム合金だから、ホームセンターで高く売れる。
そのお金を番人さんにあげるから、わての目玉だけを無縁仏の墓のほうに
投げ込んでくれないか、お願いするよ」
「わかった、意味不明だが、今後の展開が見えそうな気もするよ。
気をつけてな」
ルテインとアントシアニンを充分に補給した、四郎の目玉は、希望に輝いていた。
来世では、ブルーベリー農家になるのだと、ひそかに決意していた。