大相撲夏場所千秋楽の横綱対決で、朝青龍と白鵬が睨み合う醜態があったとか。
「横綱の品格の問題」だと言って、力こぶを入れている評論家や解説者がいた。
もはや相撲に愛想つかしていた私は、その取り組みを見ていなかった。昨日になっても映像を流している放送局があったので、見る機会を得た。
なるほど、これはひどい。が、いままで朝青龍がよく見せていたこと。驚くにあたらない。
つまり、負けて四つんばいになった白鵬に対して、朝青龍が両手で「駄目を押した」のだ。
ついムッとなった白鵬が、敵意むき出しにして朝青龍を睨んだのだ。いつも通りのことをしていただけの朝青龍にしてみれば、ちょっと面食らった感じ。
「駄目を押した」朝青龍とムッとなった白鵬に対して、「横綱としての品格」がないとなった。
私としては、「何を今さら」といった思いである。
昨年朝青龍は、腰痛の理由で巡業をサボリ、モンゴルでサッカーに興じていた。それがバレてのスッタモンダ。
「横綱の品格」についてはあの時点云々された。しかし相撲協会や横綱審議会は、大騒ぎをしながらも手を打たなかった。私などは、あの時「廃業届」を出して引退かと思った。ところが、幾場所かの「出場停止処分」でお茶を濁し、フアンもそれを許した。
あの時から私は相撲を見なくなった。
横綱の品格を問うなら、指導や処分をおろそかにした相撲協会や相撲界全体も、品格を問われなければならない。フアンにも責任の一端はあるかもしれない。
朝青龍の「駄目押し」は、今に始まったことではない。日本古来のゆかしさ」や「優しさ」や「礼儀作法」が、一つ一つ失われて行く。情けないが仕方がない。それを尊いと思う人が少なくなったのだ。
いやしくも「国技」を標榜するなら、たとえ「興行」だとしても、古式に則った「品格」があったはずではないか。まして、横綱は最高位。品格の象徴的な地位にあるのだ。
勝てばいい式のサッカーやボクシングとは違うのだ。
今ごろになって騒ぎ立てるマスコミもおかしい。
何につけ、マスコミの騒ぎは一過性。思想や信念よりも、視聴率や売り上げ部数が優先なのだ。およそ見識がない。
写真は花菖蒲の蕾と蜻蛉(平成17年6月撮影)。分をわきまえたお互いの品格を称えたい。
何の遠慮もなく羽根を休めている蜻蛉を、さりげなく支えている蕾のおおらかさ。
自然界の品格を感じる。
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