新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

男の純情

2008年05月28日 07時20分49秒 | 写真俳句・エッセー

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芍薬の頷くを見て頷けり

 晩春から初夏にかけて、牡丹が咲き、芍薬が咲き、同時に薔薇も咲きます。

 豪華な花づくしですね。

 「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」

 いつ頃から言われ始めたのか知りませんが、美しい女性を喩える花3種。

 立ち姿の芍薬、座った姿は牡丹で、歩く姿を百合の花としております。

 不勉強な私にはその理由がわかりません。

 正調「さのさ」の「花づくし」でも、同じように唄われていて面白いです。

       ♪ 花づくし 山茶花 桜に水仙花

       寒に咲くのが梅の花     

          牡丹 芍薬 ねえ 百合の花

          万年青(おもと)のことなら 南天 菊の花   ♪

 こんな調子で、やはり、牡丹、芍薬、百合の花が唄い込まれています。

 若い頃はよく唄ったものでした。しかし今は、風呂の中で唄うのがせいぜいです。

 私見を申し上げれば、牡丹の豪華な美しさや激しさに比べ、芍薬の美しさは、高貴な感じ。しかし、どこか恥じらう雰囲気があってつつましやかに見えます。

 百合の花はずっと異なり、無垢の美しさでしょうか。

 控え目な私でも、牡丹の挑戦的な激しい美しさに、たじろぐことはありません。

 見つめられれば、眼を据えて見返すこともできます。年の功とでも言うのでしょうね。

 しかし芍薬に対しては、なすすべがありません。見つめられれば眼を伏せてしまうに違いないのです。

 頷いたような微かな顔の動きにも、つい頷いてしまいそう。

   芍薬の頷くを見て頷けり     鵯 一平

 70代半ばに手が届こうというのに、まるで純情。

 風に揺らぐ芍薬に、いちいち頷き返している私です。

 お笑い下さいますな。男って、幾つになってもそんなものではありませんか。

 このような戯れ言をお読みいただき、恐縮に存じます。

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コメント (18)
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