晩春から初夏にかけて、牡丹が咲き、芍薬が咲き、同時に薔薇も咲きます。
豪華な花づくしですね。
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」
いつ頃から言われ始めたのか知りませんが、美しい女性を喩える花3種。
立ち姿の芍薬、座った姿は牡丹で、歩く姿を百合の花としております。
不勉強な私にはその理由がわかりません。
正調「さのさ」の「花づくし」でも、同じように唄われていて面白いです。
♪ 花づくし 山茶花 桜に水仙花
寒に咲くのが梅の花
牡丹 芍薬 ねえ 百合の花
万年青(おもと)のことなら 南天 菊の花 ♪
こんな調子で、やはり、牡丹、芍薬、百合の花が唄い込まれています。
若い頃はよく唄ったものでした。しかし今は、風呂の中で唄うのがせいぜいです。
私見を申し上げれば、牡丹の豪華な美しさや激しさに比べ、芍薬の美しさは、高貴な感じ。しかし、どこか恥じらう雰囲気があってつつましやかに見えます。
百合の花はずっと異なり、無垢の美しさでしょうか。
控え目な私でも、牡丹の挑戦的な激しい美しさに、たじろぐことはありません。
見つめられれば、眼を据えて見返すこともできます。年の功とでも言うのでしょうね。
しかし芍薬に対しては、なすすべがありません。見つめられれば眼を伏せてしまうに違いないのです。
頷いたような微かな顔の動きにも、つい頷いてしまいそう。
芍薬の頷くを見て頷けり 鵯 一平
70代半ばに手が届こうというのに、まるで純情。
風に揺らぐ芍薬に、いちいち頷き返している私です。
お笑い下さいますな。男って、幾つになってもそんなものではありませんか。
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