ベクトル

2010-06-22 06:08:08 | Bicycle
先日のブログ記事で、Gary Fisher ブランドが消えると書いた。

自分が選んだブランドが消える…。
そのことがとても悲しくて切なくて…。
いろいろ考えたんだ。
ブランドの持つ『意味』…。

企業が商品を売る時にどうしても必要な『ブランド』。
ノーブランドなんてものは、決してあり得ない。
無印良品』なんて…それがブランド名だ。
『シンプルに行こう!』というブランドメッセージがそこにキチンとある。

日本という国は、ブランドイメージに厳しい…そう思う。
ついてしまったブランドイメージを払拭するために、別のブランドで売り出すということをする。

そんなので、思い当るのは…。
TOYOTA の LEXUS や、Bridgestone の ANCHOR などなど…。
大衆車から高級車までフルラインナップでカバーするトヨタはすごいと思うが、欧米ではまだ『日本車』の匂いがするんだろうか。
ブリヂストンも『ママチャリ』の匂いを消したいんだろうが…。
かりに本体のブランドに十分な高級感があっても、他のブランドを出したりする…例えば資生堂みたいに。

今回の Gary Fisher の件は…日本人的なブランド感と真逆の力を感じる。
TREK だって街乗りクロスバイクからいろいろ作ってるし、GIANT だって、BIANCHI だってそうだ。

企業のアイデンティティが、企業名に集約されているとでも言うのだろうか…。
その『企業ロゴ』に集約される生産者の自信と責任の形なのだろうか。

欧米のクルマのエンブレムが『企業エンブレム』であるのに対してトヨタは『車種エンブレム』。
自分たちのやり方で進めるパワーはすごい。
だが…その一方で『我々はトヨタである』という企業イメージよりも『この車はクラウンである』とかの車種イメージを優先するあたりに、日本的なブランド意識が見え隠れするように見える。

TREK は、Gary Fisher も TREK なのだ…という企業としてのアイデンティティを取った。
だから『Fisher Dreamed. Trek Unleshead.』というコピーを付けたんだ…と思う。

はるか彼方の昔…。
日産がプリンスを吸収したように…。
Gary Fisher に SKYLINE を重ねてみる。

そこに、生き延びる思想が見えれば…と思う。

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