おいらは食品メーカーの製造部門で仕事をしている。
食品メーカーで大切なことは、なんと言っても『品質』だ。
この『品質』には 2 つの意味があってね。
ひとつ目は『衛生』。
人が食べるモノを製造している。
それ故に賞味期限内の商品の衛生状態は『絶対に』保障されなければならない。
ふたつ目は『平均』。
昨日買った商品と、今日買った商品が同じ味であること。
食品メーカー勤務であれば、誰もが『当たり前』に理解していること…。
それを守るために、工場内での決め事は数多い。
その中に『識別』という重要項目がある。
12/20 の話だ。
『スライス A』という商品と『市松 A』という商品があって、仕上がりの『見た目』は一緒なのだが、調味料の調合と原材料の種類が微妙に違ってね。
製造現場のプロが見ても、見た目では判断できない…加熱工程を経る前の試食もできないから、間違えてしまうと加熱後に大騒ぎになる。
基本的には間違えが発生しないように『スライス A』という商品と『市松 A』という商品は同じ日に作らない…だが、年末の繁忙期だ…そうも言っていられない。
製造担当者が原材料を集め、製造に取り掛かろうとした時だ。
主原料は『スライス A』のもの、調合が『市松 A』のものだと判明する。
幸い製造開始前に気が付いたので、事なきを得たのだが…。
さてこの件、間違いの原因は調味料を詰め合わせた調合の箱の『識別』にあった。
『スライス A』の調合箱には『スライス A』と書いてあったが、『市松 A』の箱には『A』としか書いてなかった。
スライスにしても市松にしても『A』は『A』…製造担当者が『A の箱』を持ってきたって、不思議はない。
危なかった。
話を聞けば、今までずっとこれで間違いはなかったと言う…『だから識別は出来ている』と調合の担当者。
だが、本当はそうではない。
今までこの識別で間違いが無かったのは、同じ日に 2 種類の A を作らなかったから。
市松 A の調合箱に『市松 A』と書いてあれば、間違いは起こらない。
原因を特定すれば、調合の識別不足だ。
調合の担当者は指摘を受けて文句タラタラ。
『間違えたのは製造担当者だ、A と書いてある商品は 30 年も昔から「市松」を指すのだ』と。
やれやれ…。
調合担当者が 30 年選手なのは分かったよ。
だけど、製造担当者がみんな 30 年選手じゃぁないんだよ。
今年に入ったフレッシュマンだっている。
識別とは、誰が見ても分かるように区別することを言う。
『おっと!』という事故寸前があってさ、識別の甘さが見つかったんだから、次に繋がるように是正するのが本当の仕事じゃないのかい?
文句を言おうが、それは言い訳。
やり方を変えなければ、何れ事故は起こる。
自分は悪くない…と言いたいんだろうが、文句を言ったら自ら悪者になってしまうって。
今まで事故が起きなかったのだから、今までは今までの方法で文句はない、悪いなんて言ってないさ。
でも、事故が起こる可能性が見つかったんだから変更しなければならない。
そのまま放っておいたら、昨日今日の『三菱』の話と同じになってしまうぞ。
そこを理解しないとさ。
食品メーカーで大切なことは、なんと言っても『品質』だ。
この『品質』には 2 つの意味があってね。
ひとつ目は『衛生』。
人が食べるモノを製造している。
それ故に賞味期限内の商品の衛生状態は『絶対に』保障されなければならない。
ふたつ目は『平均』。
昨日買った商品と、今日買った商品が同じ味であること。
食品メーカー勤務であれば、誰もが『当たり前』に理解していること…。
それを守るために、工場内での決め事は数多い。
その中に『識別』という重要項目がある。
12/20 の話だ。
『スライス A』という商品と『市松 A』という商品があって、仕上がりの『見た目』は一緒なのだが、調味料の調合と原材料の種類が微妙に違ってね。
製造現場のプロが見ても、見た目では判断できない…加熱工程を経る前の試食もできないから、間違えてしまうと加熱後に大騒ぎになる。
基本的には間違えが発生しないように『スライス A』という商品と『市松 A』という商品は同じ日に作らない…だが、年末の繁忙期だ…そうも言っていられない。
製造担当者が原材料を集め、製造に取り掛かろうとした時だ。
主原料は『スライス A』のもの、調合が『市松 A』のものだと判明する。
幸い製造開始前に気が付いたので、事なきを得たのだが…。
さてこの件、間違いの原因は調味料を詰め合わせた調合の箱の『識別』にあった。
『スライス A』の調合箱には『スライス A』と書いてあったが、『市松 A』の箱には『A』としか書いてなかった。
スライスにしても市松にしても『A』は『A』…製造担当者が『A の箱』を持ってきたって、不思議はない。
危なかった。
話を聞けば、今までずっとこれで間違いはなかったと言う…『だから識別は出来ている』と調合の担当者。
だが、本当はそうではない。
今までこの識別で間違いが無かったのは、同じ日に 2 種類の A を作らなかったから。
市松 A の調合箱に『市松 A』と書いてあれば、間違いは起こらない。
原因を特定すれば、調合の識別不足だ。
調合の担当者は指摘を受けて文句タラタラ。
『間違えたのは製造担当者だ、A と書いてある商品は 30 年も昔から「市松」を指すのだ』と。
やれやれ…。
調合担当者が 30 年選手なのは分かったよ。
だけど、製造担当者がみんな 30 年選手じゃぁないんだよ。
今年に入ったフレッシュマンだっている。
識別とは、誰が見ても分かるように区別することを言う。
『おっと!』という事故寸前があってさ、識別の甘さが見つかったんだから、次に繋がるように是正するのが本当の仕事じゃないのかい?
文句を言おうが、それは言い訳。
やり方を変えなければ、何れ事故は起こる。
自分は悪くない…と言いたいんだろうが、文句を言ったら自ら悪者になってしまうって。
今まで事故が起きなかったのだから、今までは今までの方法で文句はない、悪いなんて言ってないさ。
でも、事故が起こる可能性が見つかったんだから変更しなければならない。
そのまま放っておいたら、昨日今日の『三菱』の話と同じになってしまうぞ。
そこを理解しないとさ。