散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

またも静岡(13)超切り絵

2024-09-10 13:13:21 | 美術・アート
昼食を取ってから、バス停にして2つ分、残りの道をもう少し歩いて、浜松市美術館へ。



美術館へのアプローチには石板彫刻というものが埋め込まれていて「足元に注意!」という看板があるくらい危ない。私も写真を撮ったり、手帖にメモをしていて、足を引っかけてしまった。





少し歩いて入口に到着。



早速特別展から見ていこう。


→入口には紙製ジュエリーが展示されており、ここだけ撮影可である。

■浜松市美術館「日本の切り絵 7人のミューズ展」。内容が良く分からずに来たのだが、かなり素晴らしい切り絵の展覧会だった。
蒼山日菜「Voltaire」:カリグラフィーのような書体を切り絵で再現。私も何度か切り絵で文字を表現する作品は見たことがあるが、過去最高峰と言っても良いだろう。
蒼山日菜「愛の女神<マリー>」他:森永ビスケットの箱に描かれているデザインの原型となる切り絵である。
福井利佐「LIFE-SIZED「surprise(驚き)」「同「gram(グラム)」:宙に白い切り絵を浮かべ、壁に写る黒い影と共に作品にしたもの。立体を考えると、切り絵に影はつきものである。

福井利佐「ヒトスジシマカ」:「蚊」を描いたものだが、ほんのり色彩があるのが印象的。
福井利佐「菊シリーズ」:点灯する光が菊の花を浮かび上がらせる。光っている時間は作品によって違い、その命の長さを表しているのかもしれない。
松原真紀「本望」:蜘蛛の巣にかかった蝶とそこから伸びる糸の先に蜘蛛。立体的な作品である。

松原真紀「守護者」:月のいわゆる「海」とクレーターを黒く抜いた作品。
松原真紀「嗚呼! レディハリケーン」:光るトルソーのブラジャーとパンティーが切り絵でできているのだ。これはハッとさせられる。
松原真紀「蜜のあはれ」:光源にかぶせるような円筒型の紙から無数の蝶が切り出されて、羽を浮かばせている。

SouMa「ダイヤモンド」:白、グレー、黒の色彩をパッチワークのように貼り交ぜて、ちょっと離れるとまさしくダイヤモンドである。
SouMa「枝垂れ玉花」:土台の上に巨大なバラが作られており、完全な立体作品。
柳沢京子「抒情するホタル」:黒の縦線による錯視効果のようなものを生み出している。

筑紫ゆうな「無題」:全作品無題なので説明しづらいが、ロビーに複製パネルがあったので、それを紹介しよう。



切り剣Masayo「海蛸子」:生物でもあり、その表面は幾何学的模様に覆われてもおり。これも複製パネルをご紹介しよう。



切り剣Masayo「幽玄(クラゲ)」:タコで驚いたら、次がもっとすごかった。クラゲの傘の中のモヤモヤした所まで切り絵で再現している。
切り剣Masayo「残夢」:魚の鱗をわざとデザインチックにしたり、ランダムさを取り入れたりしている。
切り剣Masayo「深海魚」:これはどちらかというと幾何学さが勝ち、メカメカした仕上がりになっている。

切り剣Masayo「ジャクソンカメレオン」:もうここまでくると、カメレオンでもなく「機械獣」である。

展覧会タイトルの「7人のミューズ」というのがちょっと気になったが、たまたま展示テーマにあった作家が女性だけだったのだろうか。男性の切り絵作家もいるようだし、この展覧会が性別の問題を特に扱っていたようにも思えなかったし…(松原真紀「嗚呼! レディハリケーン」は女性性というものを考えさせる作品ともいえる)。

この特別展以外には、小杉惣一コレクション「金銅仏 隋〜唐」の展示もやっていた。次は随時代「菩薩立像」。



というところで鑑賞は終わり。バス停の方に向かうと「徳川家康家臣 本田重次 屋敷推定地」という案内が立っていた。



さて、次の目的地は歩いていくには遠い。面倒だったが今度はバスを乗り継いで行くことにする。


コメント    この記事についてブログを書く
« またも静岡(12)定食屋 | トップ | またも静岡(14)博物館 »

コメントを投稿