■拳銃使いの娘/ジョーダン・ハーパー 2020.2.3
このミステリがすごい! 海外編 2位 『拳銃使いの娘』
メチャメチャ面白いミステリでした。
ギャングの大親分から、回状が回された。
塀の内外にいるすべての忠実なる兵士に告ぐ
弟を殺害した民族の裏切者への
狩猟を解禁する
聞くところによると
そいつの名はネイト・マクラスキー
まもなく釈放される
このナイフ男への正式な青信号を点す
聞くところによると
そいつにはポリーという名の娘がいる
そいつにはエイヴィスという名の女がいる
どちらもフォンタナにいる
その女への正式な青信号を点す
その娘への正式な青信号を点す
死は刃によってもたらされること
大地に塩をまけ
協力をこばむ者はみな青信号に加える
なしとげる者には構成員の資格を保証する
なしとげる者には特権を保証する
総長クレイジー・クレイグ
スティールよ永遠なれ、永遠なれスティールよ
「おれもどうしていいかわからないよ。なにせ一週間前には、寝る時間も、食べる時間も、小便をする時間も決められてたってのに、今こうして目の前に、全世界が地図もないままに広がってて、その中でおれを殺そうとしてないように思えるのは、おまえとその熊公だけなんだからな」
雲霞の如くギャングどもが、鵜の目鷹の目でネイトとその娘ポリーに群がってくる。
追われる父と娘は、その絶望的状況をどのようにして切り開いていくのか。
あらすじを読んだ時のわくわく感。
読み始めれば、面白さで一気読み。
■クレイジー・クレイグ
皮膚に刻まれた数々の刺青とナイフ傷が、男の経歴を物語っていた。男は夜のない部屋で暮らし、おのれを神と見なしていた。
ペリカン・ベイ州立刑務所の終身刑囚にして、<アーリアン・スティール>と呼ばれる刑務所ギャングの総長。
■ポリー
負け犬のように背を丸めて、顔を髪で隠してはいても、少女は拳銃使いの眼をしていた。
あんたの父さんそっくりの拳銃使いの眼だ。母親にはよくそう言われたものだ。
あたしは金星から来たんだ。
金星は一見静謐そうに見えるけれど、それは外側から見た姿にすぎないと書いてあった。
外見は静かでおとなしいけれど、内面では酸の嵐が吹き荒れているんだと。
■ネイト
きっと脱獄してきたのだ。
父親は悪い人で、強盗だから、本当なら刑務所にいるはずなのだから。あんたの父さんはね、夫や父親でいるより、悪い人でいるほうが好きだったの。母親はそう言っていた。
悪い人を父親に持つのは、父親などいないのと同じようなものだった。
人は結局のところ、自分以外の誰のものでもないのだ。
「強くなるには、弱さを感じなきゃならない」父親は言った。
父とその娘は、生き残りをかけてギャングの世界に挑戦するのだが..........
銃口をのぞきこんでも、弾の先っぽは見えない。見えるのは、来世の予告篇みたいな暗闇だけだ。
「ミステリが読みたい!2020年版」発表 (2019/11/26)
「ミステリが読みたい」では、海外作品ランキング 9位 だった。
この違いは、どうしてでしょうか。
ぼくには、第2位の面白さなのだが。
さて、ポリーはどのような女性に成長すると思いますか?.........それはあなたやぼくの想像力の世界で息づく。
『 拳銃使いの娘/ジョーダン・ハーパー/鈴木恵訳/ハヤカワ・ミステリ 』
このミステリがすごい! 海外編 2位 『拳銃使いの娘』
メチャメチャ面白いミステリでした。
ギャングの大親分から、回状が回された。
塀の内外にいるすべての忠実なる兵士に告ぐ
弟を殺害した民族の裏切者への
狩猟を解禁する
聞くところによると
そいつの名はネイト・マクラスキー
まもなく釈放される
このナイフ男への正式な青信号を点す
聞くところによると
そいつにはポリーという名の娘がいる
そいつにはエイヴィスという名の女がいる
どちらもフォンタナにいる
その女への正式な青信号を点す
その娘への正式な青信号を点す
死は刃によってもたらされること
大地に塩をまけ
協力をこばむ者はみな青信号に加える
なしとげる者には構成員の資格を保証する
なしとげる者には特権を保証する
総長クレイジー・クレイグ
スティールよ永遠なれ、永遠なれスティールよ
「おれもどうしていいかわからないよ。なにせ一週間前には、寝る時間も、食べる時間も、小便をする時間も決められてたってのに、今こうして目の前に、全世界が地図もないままに広がってて、その中でおれを殺そうとしてないように思えるのは、おまえとその熊公だけなんだからな」
雲霞の如くギャングどもが、鵜の目鷹の目でネイトとその娘ポリーに群がってくる。
追われる父と娘は、その絶望的状況をどのようにして切り開いていくのか。
あらすじを読んだ時のわくわく感。
読み始めれば、面白さで一気読み。
■クレイジー・クレイグ
皮膚に刻まれた数々の刺青とナイフ傷が、男の経歴を物語っていた。男は夜のない部屋で暮らし、おのれを神と見なしていた。
ペリカン・ベイ州立刑務所の終身刑囚にして、<アーリアン・スティール>と呼ばれる刑務所ギャングの総長。
■ポリー
負け犬のように背を丸めて、顔を髪で隠してはいても、少女は拳銃使いの眼をしていた。
あんたの父さんそっくりの拳銃使いの眼だ。母親にはよくそう言われたものだ。
あたしは金星から来たんだ。
金星は一見静謐そうに見えるけれど、それは外側から見た姿にすぎないと書いてあった。
外見は静かでおとなしいけれど、内面では酸の嵐が吹き荒れているんだと。
■ネイト
きっと脱獄してきたのだ。
父親は悪い人で、強盗だから、本当なら刑務所にいるはずなのだから。あんたの父さんはね、夫や父親でいるより、悪い人でいるほうが好きだったの。母親はそう言っていた。
悪い人を父親に持つのは、父親などいないのと同じようなものだった。
人は結局のところ、自分以外の誰のものでもないのだ。
「強くなるには、弱さを感じなきゃならない」父親は言った。
父とその娘は、生き残りをかけてギャングの世界に挑戦するのだが..........
銃口をのぞきこんでも、弾の先っぽは見えない。見えるのは、来世の予告篇みたいな暗闇だけだ。
「ミステリが読みたい!2020年版」発表 (2019/11/26)
「ミステリが読みたい」では、海外作品ランキング 9位 だった。
この違いは、どうしてでしょうか。
ぼくには、第2位の面白さなのだが。
さて、ポリーはどのような女性に成長すると思いますか?.........それはあなたやぼくの想像力の世界で息づく。
『 拳銃使いの娘/ジョーダン・ハーパー/鈴木恵訳/ハヤカワ・ミステリ 』