嫌われる勇気

この前、テレビの情報番組でアドラー心理学をまとめたベストセラー「嫌われない勇気」という本が紹介されていた。

その本に書かれていることは、「他者と自分を比較しない・人に嫌われる事を恐れない」―この二点が大事だという。

人間は常に自分と他者を比較し、嫉妬したり羨んだりするし、友人・家族・同僚・上司から嫌われたくないと思っている。

わたしは、学生時代（中学・高校時代）から団体行動やグループ行動が苦手だったが、昼休みに一人で弁当を食べることは苦痛ではなかった。

それに、一人で居る事が気楽で、それを寂しいと思った事はなかった。

誰かと食卓を囲んで会話をしながら食事をするのも楽しいが、一人で食事を楽しむ人も居る。

大多数の「価値観」を、違う価値観の人間に押し付けるのは最も嫌われることだ。

自分がこうだから、他人もこうあるべきである―そういった考えは間違っているし、皆が違う考えを持っているからこそ人間関係の軋轢などが生じるのではないか。

最近、「ぼっち（独りぼっち）」が悪であるという風潮があるが、友人の数が多ければ多いほど悩みは尽きず、一人で居ればそんな事に煩わずに済む。

「嫌われない勇気」を持つことは、まず「ぼっちを恐れない」ことから始めた方がよいのではないか―家族とその番組を観ながら、わたしはそう思った。