法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

『理詰めの営業』- 購買行動と営業 - (3)説得材料の提供、不安の低減

2024-10-06 20:17:26 | ・・購買行動と営業プロセス
第三段階は、「必要な財の計画」を行う段階で、顧客は「より具体的に」問題や課題の解決に必要な製品・サービスを製品名・仕様・価格等のように具体的に記述します。そして、社内での説明、購入計画(年間予算等)へのインプット等を行います。



ここでの営業の役割は、顧客の「この段階でのキーパーソン」が、社内を説得できる材料を提供することです。

「この段階でのキーパーソン」とカッコ書きにしたのは、この人が第二段階で調べた意思決定者とは限らないからです。キーパーソンは、案件が進む段階によって異なります。

営業は、また、顧客が感じているリスクを和らげ、提案しているソリューションに対する確信を深めさせることが大切です。「この会社の(営業の)ソリューションなら大丈夫だ。サポートも安心」などと顧客に確信させることです。

逆に言えば、営業は顧客が感じているリスクや不安を察知し、それらを取り除くためのデータや情報を提供します。

小型商談では、商品を購入したあとで「買って失敗した」と思っても大きな痛手にはなりません。このため顧客は容易にリスクをとることができます。私も買ったがほとんど袖を通さない服や長続きしなかったスポーツ用具があります。

しかし、コンプレックスセールスの対象となるような製品・サービスはどうでしょうか。買ったはいいが、使い勝手が悪すぎて社内のユーザーの評判が悪いソフトウェア、納期が間に合わず会社のプロジェクトの進捗に悪影響、など、失敗例は身近にもたくさんあります。「もし、そうなったらどうしよう」という顧客が感じているリスクや不安を取り除く努力が必須となります。

営業は自分から進んで話し合うべき点や懸念材料はないかと顧客に聞きます。たとえば、

営業:齋藤さん、これですべてだと思いますが、次のステップに移る前に、もっと説明をききたい点はありますか。
顧客:はい、貴社のサービスサポート体制、とくに、緊急時のサポートについてうかがいたいと思います。
営業:それではご説明いたします。弊社のサービスサポートチームは、・・・

このようなごく普通の話の流れの中で、顧客の懸念事項を解消できます。

また、営業は顧客の課題や問題を解決するために提案した内容が、顧客の計画にもれなく含まれているかを確認するとともに、実施の意向固めのサポートを行います。

更に、購入すべきものの計画や内容が決まっていても、資金の手当てや移転先の確保など、購買を可能にする条件を満たせたかが問題になります。

これが、表中の「調達に伴う十分条件の整備」です。ここまで確認でき、顧客と密な関係が構築できていれば、次の段階、公式購買プロセスに進んでも勝算はかなり高いでしょう。

これまで説明してきた第一段階から第三段階までが、顧客が検討を重ねて態度決定を行うプロセスです。

さて、皆さんの抱えている第三段階の案件の状況はいかがですか。

「まだ、入札の案内が来ていない(見積もり依頼が来ていない)のでやりようがない」ですか?

営業は、とっくに始まっています!!




<営業に疲れたら『武蔵野-ロストハイウェイ』>


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