かなり前から気になっていて、妻と一緒に見ようと思いながら、なかなか行く機会がなく、これ以上先延ばしにすると見逃しそうなので、本日夜8時から上映分を思い切って1人で見に行って、今帰ってきたばかりです。
感想は、やはり「見に行って良かった」です。
何が良かったか?と聞かれると、きっと「純粋な」「一途な」気持ちであり、それが愛ででもあり、仕事でもあり、きっと我々の世代は、ノスタルジーに惹かれることでしょう。
そして、とにかく画面が美しい。緑一面の草原。真っ青な空。白い雲。そこに映える白と日の丸のゼロ戦。
また、その立体的な画面。映画館の画面が大きいから一層そう思えるのだと思うが、飛行機の機体などは本当によく生き生きと描かれている。
そして、二郎と菜穂子の恋。結核で余命いくばくもない菜穂子を最後まで愛する二郎。二郎の仕事の完成をひたすら願う菜穂子。
あの、「激しくせつない恋」と日本が20年ほど遅れていた飛行機の開発を必死に計算尺で追いかけて、世界で恐れられたゼロ戦を作り上げた堀越二郎という「大きな夢」を宮崎監督は書きたかったのではないか?
どちらも、今の日本人が忘れかけているもの。
文明が発達して、何でもインターネット経由で手に入れることができるが、それらは所詮、空気みたいなもので、確かな実感のないもの。
そうではなくて、本当に好きになる。本当に夢を実現する。その尊い価値。
映画の中程で、二郎と菜穂子がどしゃぶりの雨の中をパラソルでかけていき、やがて雨があがった瞬間に見える虹。
「虹を見るのはひさしぶりだなあ(二郎)」「生きているって本当にすばらしい(菜穂子)」というような会話があったが、自然の中に生かされている自分という存在。そして、生きていることの幸せをもう一度考える必要がある。
関東大震災からも第二次世界大戦からも立ち直った日本。それが、今は、東日本大震災以降なかなか立ち直れずにいる。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」とは、私はまだ読んでいない堀辰雄の小説の一節らしいが、「風がたった。さあ、(不安だが)生きようじゃないか」というような意味らしい。(ウィキペディアによる)
技術者にとって、活躍できるのは10年しかない。とすれば、(私は技術者ではないが)あと何年仕事を続けられようか?
今日、明日、あさって、毎日、毎日の積み重ねでゼロ戦が完成したように、ピラミッドもそうした土台からだんだん上に重ねていったように、「自分のピラミッド」を早く思い描いて、完成に向け努力しようではないか!!
時に、はめをはずして、遊んだりしながら。
偉大なる、宮崎駿監督に敬礼!
そして、最後に映画のラストに流れていた荒井由美の「ひこうき雲」を紹介しておきます。http://youtu.be/QYzExwIYbGQ