私のブログのタイトルにも使わせていただいている、徒然草について、徒然草の事が何より好きな清川妙さん(1921年生まれ)が書かれた本(小学館 1365円)を読ませていただきました。
多方面に含蓄の深い教えが、非常にわかりやすく書かれていました。その中でも印象に強く残ったことだけを書いてみたいと思います。
①「刹那覚えずといえども、これを運びて止まざれば、命を終ふる期、たちまちに至る」(第108段)
刹那とは時間の最小単位であるが、それを積み重ねていくといのちの最後もたちまちやってくる。だから、一瞬一瞬を大事に生きないと後悔するよ。
死期は年の若い順にやってくるとは限らない。知らない間にうしろに迫っている。やりたいことがあれば、すぐにとりかからないと後悔するよ。(例えば、ヨーロッパ旅行を退職してからしようと思っていても、病気になっていけないとかあるということ。)
②「吉凶は人によりて、日によらず」(第91段)
平安時代から、今の仏滅にあたるような日(赤舌日)という日があって、この日に何かすると良くないと言われていたが、良くない行いをした人が悪いのであって、日が悪いのではないと合理的に否定した。つまり、世間の噂に流されないで、自分の頭で考えなさいということ。
③「いづくにもあれ、しばし旅だちたるこそ、目さむる心地すれ」(第15段)
場所はどこでもいいから、しばらく、日常を離れることは、清新な気持ちになるものだ。
その他たくさんの教えが書かれているが、それは本を購入して読んでもらうことにして、もう一つ自分に戒めなければいけないことは、
「鼎(かなえ)かぶり」の話(第53段)である。調子にのって、人を笑わそうと鼎(三本足の道具)をかぶって、得意がっていたが、最後に抜こうとしてぬけず、耳や鼻に大けがをしたという話。
人を喜ばそうとして、度がすぎるとまずいなあ。 反省。反省。
(参考メモ)
兼好さんの友達の分類
よき友>よろしき友>わろき友>あしき友
よき友には、物くるる友、医師、知恵ある友。
わろき友には、高くやんごとなき人、若き人、病なく身強き人、酒を好む人、猛く勇める兵、虚言する人、欲深き人