徒然幸せ日記

作者が日常の生活で見たこと、感じたこと、感動したこと!を書いています。
特に、「幸せ」とは何かについて考えています。

ノーベル文学賞を受賞されたカズオ・イシグロ氏のテーマは「記憶」

2017-10-09 20:34:30 | 幸せ
今年のノーベル文学賞に元日本人のカズオ・イシグロ氏が選ばれた。
あまり予想されていなかったようで、書店では売れ切れが続出、図書館では予約で一杯だそうである。

日本でも、6年ほどまえに「私を離さないで」という映画が上映され有名になったようだが、私はその映画も見ていないし、正直言って、この方の本を今まで読んだことがない。

だから、コメントする資格なんてさらさらないのだが、昨日私のブルーレイにたまたまNHKのETV特集で「カズオ・イシグロをさがして」というタイトルの物(1時間29分もの)が録画されていて、この機会にその録画を見た。

その録画では、カズオ・イシグロ氏と共に女優のともさか りえさんや分子生物学者の福岡伸一氏らが出演され、カズオ・イシグロ氏の作品とその中で何を訴えたかったかについて探求されていて素晴らしかった。

内容を私なりの解釈で、簡単に紹介すると

カズオ・イシグロ氏は長崎生まれで5歳までそこで過ごし、海洋学者であった父の転勤に会わせてイギリスに渡り、現在はイギリス人として生活されている。

小学生からずっとイギリスで生活していたので、日本語はできないし、日本文化もあまりわからない。
アメリカにあこがれ、父の影響もありミュージシャン志望だった。

しかし、日本での幼い頃の記憶が希薄になるにつれ、小説として書きとどめておきたくなった。
1982年に書いた「遠い山なみの光」という作品にはそのことが投影されている。

3作目の「日の名残り」で、イギリスの最高の文学賞を受賞。2005年にクローン人間を扱った「私を離さないで」を書いた。

これら、一連の作品のテーマに共通するのは、「記憶」である。

人間は小さいときは大人に守られているが、段々と大人になるにつれて、「死」や「悪」などを知るようになる。しかし、実感として知るのではなく、口先だけで知る。
やがて、昔のことをノスタルジックに思い出す。その思い出は、繰り返すうちに段々と美しくなる。



その記憶(思い出)は人間にとって非常に重要なことである。
死ぬことによって、人間は物理的には離ればなれになるが、亡くなった人の記憶は消えない。

人間は「人生は短い」と悟った時、
金や利益や権力などは価値が小さく、赦しや友情や愛情などが人間たらしめていることに気づく。




さっそくにでも、何か購入して読んでみる必要がありそうだと感じた。


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