NHK Eテレでこの月曜日まで4回にわたり放送していたタイトルの本。(作者は山口大学の小川仁志准教授)「幸せ」について考察しているブログ著者にとっては非常に興味深かった。
(ネットより)
ラッセルは正式にはバートランド・ラッセル(1872-1970)と言い、数学者、哲学者、文学者、平和活動家など多彩な顔を持つイギリスが産んだ20世紀の知の巨人とも言うべき人。
(ネットより)
この人が書かれた幸福論は正式には
(ネットより)
このような形で書店で売っている。
この幸福論の特徴を他の幸福論と比較したのが、
(ネットより)
これだけでは何のことかよくわからないが、三大幸福論の中で一番新しい。(ラッセルが58歳の時に書かれたもの。)また、アランの幸福論同様ポジティブだ。
それでは、小川先生が書かれた本の概要を私なりに少し書かせていただき、私の感想を書くことにしたい。
1 不幸の原因(P21より)
最大の不幸の原因は「自己没頭」(自分の内にこもってしまうこと)であり、3つのタイプがある。
(1)罪の意識にとりつかれた人
(2)ナルシスト(度が過ぎた自分への賛美と人から賛美されたいと思う人)
(3)誇大妄想狂(権力志向で恐れられることを求める)
2 不幸の8つの原因と解決策(P35より)
(1)悲観主義 → 行動を起こす
(2)過度な競争 → 人生のバランスをとる
(3)退屈と興奮 → 退屈を楽しむ
(4)疲れ → 悩みを宇宙規模で考える・無意識へ働きかける
(5)ねたみ → 比較をやめる・不必要な謙遜をやめる
(6)罪の意識 → 理性によって精神を統一する
(7)被害妄想 → 自分は思っているほど利他的でなく、自分の美点を過大評価しない
他人からあまり期待されていると思わない、他人は迫害しようと思っていない
(8)世評に対するおびえ → 環境を変える、世評を無視する
3 幸福になるために(P64より)
(1)何かに熱中する
(2)幅広い興味を持つ
4 幸福になる具体的な方法(P64より)
(1)バランスのとれた熱意(内側だけに目を向けない)
(2)バランスのとれた愛情と家族
(3)バランスのとれた仕事
(4)私心のない興味(趣味)を持つ
(5)努力と不屈の希望に根ざしたあきらめ
5 ではどうするか
「客観的に生きる」
つまり、自由な愛情と自分が本当にやりたい広い興味あることを行い、
そのことを通して、自分がほかの多くの人々の興味と愛情の対象にされること。
「社会との調和」
正しい社会的な価値と対立したり、孤立したりしない。
「社会そのものの幸福」
自分が良くても社会が平和でないと幸せにはなれない。
おおまかにいって、こういう感じだと思う。
一つ一つを見ていく時間はない(本を購入してください)が、非常にわかりやすい幸福論だと思う。
また、タイトルが「The Conquest of Happiness」になっているように、
「幸福は待っていて手に入るものでなく、能動的に働きかけて獲得するものだ」というのが中心思想だと先生はおっしゃっていた。水前寺清子さんの「365歩のマーチ」のようにかな?
私が思うに、確かに、「幸福」というやつは正体がない。「気持ち」である。
だが、単なる精神修行で得られるものでもない。
般若心経で説く「空」や「無」の心は大事だが、それは、欲望という煩悩を押さえるためのものだと思う。
だから、結局、自分が好きなこと、自分にできること、自分に与えられたことを実行し、
できるだけ粘り強く努力する。
その結果、うまくいけば最高だが、
うまくいかなくても悲観せずに、また、違うことに目を向けて、再出発する。
そうして、他人と関わり、他人をほめ、自分もほめられ、仲良く楽しく生きる。
そして、戦争へは決して行かないように努力する。
ということなのだろう。
なお、平和活動について、ラッセルは2度も投獄されながら、反戦・反核を貫いた。
1955年に発表された「ラッセル=アインシュタイン宣言」ではこう述べているらしい。(P89)
「私たちは、人間として、人間に向かって訴える。
あなたがたの人間性を心に深く刻み、それ以外のことを忘れよ、と。
それができるならば、新しい楽園への道は開かれる。
できないならば、全面的な死の危険が待ち受ける」
(ネットより)
ラッセルは正式にはバートランド・ラッセル(1872-1970)と言い、数学者、哲学者、文学者、平和活動家など多彩な顔を持つイギリスが産んだ20世紀の知の巨人とも言うべき人。
(ネットより)
この人が書かれた幸福論は正式には
(ネットより)
このような形で書店で売っている。
この幸福論の特徴を他の幸福論と比較したのが、
(ネットより)
これだけでは何のことかよくわからないが、三大幸福論の中で一番新しい。(ラッセルが58歳の時に書かれたもの。)また、アランの幸福論同様ポジティブだ。
それでは、小川先生が書かれた本の概要を私なりに少し書かせていただき、私の感想を書くことにしたい。
1 不幸の原因(P21より)
最大の不幸の原因は「自己没頭」(自分の内にこもってしまうこと)であり、3つのタイプがある。
(1)罪の意識にとりつかれた人
(2)ナルシスト(度が過ぎた自分への賛美と人から賛美されたいと思う人)
(3)誇大妄想狂(権力志向で恐れられることを求める)
2 不幸の8つの原因と解決策(P35より)
(1)悲観主義 → 行動を起こす
(2)過度な競争 → 人生のバランスをとる
(3)退屈と興奮 → 退屈を楽しむ
(4)疲れ → 悩みを宇宙規模で考える・無意識へ働きかける
(5)ねたみ → 比較をやめる・不必要な謙遜をやめる
(6)罪の意識 → 理性によって精神を統一する
(7)被害妄想 → 自分は思っているほど利他的でなく、自分の美点を過大評価しない
他人からあまり期待されていると思わない、他人は迫害しようと思っていない
(8)世評に対するおびえ → 環境を変える、世評を無視する
3 幸福になるために(P64より)
(1)何かに熱中する
(2)幅広い興味を持つ
4 幸福になる具体的な方法(P64より)
(1)バランスのとれた熱意(内側だけに目を向けない)
(2)バランスのとれた愛情と家族
(3)バランスのとれた仕事
(4)私心のない興味(趣味)を持つ
(5)努力と不屈の希望に根ざしたあきらめ
5 ではどうするか
「客観的に生きる」
つまり、自由な愛情と自分が本当にやりたい広い興味あることを行い、
そのことを通して、自分がほかの多くの人々の興味と愛情の対象にされること。
「社会との調和」
正しい社会的な価値と対立したり、孤立したりしない。
「社会そのものの幸福」
自分が良くても社会が平和でないと幸せにはなれない。
おおまかにいって、こういう感じだと思う。
一つ一つを見ていく時間はない(本を購入してください)が、非常にわかりやすい幸福論だと思う。
また、タイトルが「The Conquest of Happiness」になっているように、
「幸福は待っていて手に入るものでなく、能動的に働きかけて獲得するものだ」というのが中心思想だと先生はおっしゃっていた。水前寺清子さんの「365歩のマーチ」のようにかな?
私が思うに、確かに、「幸福」というやつは正体がない。「気持ち」である。
だが、単なる精神修行で得られるものでもない。
般若心経で説く「空」や「無」の心は大事だが、それは、欲望という煩悩を押さえるためのものだと思う。
だから、結局、自分が好きなこと、自分にできること、自分に与えられたことを実行し、
できるだけ粘り強く努力する。
その結果、うまくいけば最高だが、
うまくいかなくても悲観せずに、また、違うことに目を向けて、再出発する。
そうして、他人と関わり、他人をほめ、自分もほめられ、仲良く楽しく生きる。
そして、戦争へは決して行かないように努力する。
ということなのだろう。
なお、平和活動について、ラッセルは2度も投獄されながら、反戦・反核を貫いた。
1955年に発表された「ラッセル=アインシュタイン宣言」ではこう述べているらしい。(P89)
「私たちは、人間として、人間に向かって訴える。
あなたがたの人間性を心に深く刻み、それ以外のことを忘れよ、と。
それができるならば、新しい楽園への道は開かれる。
できないならば、全面的な死の危険が待ち受ける」