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哲学の効果とはなにか

2019年12月06日 21時57分22秒 | 哲学とは何か
哲学は何よりも多くの分野を網羅的に総合的に、物事の原因や本質を知る為の技術方法論だから、人間が思索の際には真っ先にこの方法論を体得せねばならない。専門的知識の展開は、この土台があってこそ有効に進めることができる。まず思索の方法論としては、今では誰でも知って居るはずの「5W1H」、と謂う、工場などの製造設備や、工場に限らないが生産品の品質管理や人事管理の際に必ず出て来る基礎技法である。5W1Hの内容は、誰が(who)、いつ(when)、どこで(where)、なにを(what)、なぜ(why)、どのように(How)、という物事を順序立てて、問題の在り処を推理して明らかにする方法であり、余りにも基本的な為にその応用範囲は人間の思考の技術のすべてに及んで居る。

さて人間に取って哲学の効用とはどういう状態の事を言うのか。哲学が扱うのは、凡そ人の想像力の届くすべての範囲であるが、その具体的な方法論とは何だろうか。思考の技術は何か?ということだ。表現は言語的なものや数学的なものである。古代より哲学の表現方法が言葉であるのは仕方がない。それ以外に手近には是と云ったものがないからだが、言葉をより密度と整合性がある表現の為に修辞学が生まれた。人の認識の初歩は概ね疑問を解くために言葉と云う形態をとるが、他に改めて好い方法が有るかという事である。この様な事情に直面する際に、では何が確実な表現であり哲学の展開に有効であるか?という問題である。

哲学は現象に対するイメージを重要視する。Imageとは英語であるが、今では日本語のなかにも取り入れられていて普通に日常会話のなかにも出て来る。これを明治の翻訳家が漢語的表現に訳すれば「想形」とでも訳すだろう。想いを形にしたものである。想形とは想像的形象と表現しこれを短くして想形とでも付けたものだ。勿論、imageを想形と訳した例は無い、これは私の造語である。また哲学はほんらい定まった分野などはない、なんでも哲学の範疇にはいるのである。基礎に成るのは思考の技術とでも言いうるものだ。果たして思考に技術などあるのか?、それが在るのである。基本に成るのは「問い」と「疑問を展開する想像力」と「疑問を集約した命題の証明技術」である。

人間の問いの活動である哲学には限定された範囲は殆どない。人間が物事に不思議感を抱いたり、起きて在る原因の理由を知りたいとするのならばそれを知る試みは既に哲学なのである。不思議や疑問を解く試みが哲学であり、やがてイメージの空想は哲学から発して精密な科学となる。先に常識的な方法論として5W1Hを挙げたが、本来の哲学はもっと空想のイメージを深めた励起的なinspirationの代物である。
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