タイヤ交換の大繁忙も一服してきた感じで
タイヤ屋頭から経営者頭へ切り替えるための
一つの手段として「読書」をすることを習慣にしていることは 昨日のブログに書きました。
すると目先のタイヤに集中していた狭い視点から
宇宙に飛び出して(大げさです)高みから取り巻く環境を見つめることが出来る気がするものです。
たった一冊の本に夢中になるだけの切り替えです。
そうした情報収集を「インテリジェンス」と呼ぶそうですが 気分はジェームスボンドです。
小さなタイヤ屋こそ 生き残るため情報収集は欠かせません。
最近のタイヤ小売現場における現象に
国産・輸入品の欠品納期遅れがあります。
ミシュラン・BFGOODRICHタイヤに新製品が発売され
4月発売・5月発売とアナウンスされているサイズが軒並み先送りされ
お客様から予約注文をいただいている分も遅れてしまい 対応を余儀なくされています。
最初は欧州で製造される大口径サイズの品薄感でしたが
ここに来て納期遅れは通常サイズにも及んできました。
その原因は 最初コロナ禍・ロックアウト・コンテナ不足でしたが
いよいよ二次的な資源の調達が難しい(世界で起きている奪い合い競争)といった
メーカーにとってヤバイ事態に及んできた感じです。
中国の爆買いにやられて 日本メーカーに資源材料が入らないようになれば・・・・・・・。
戦争によってロシアとの取引が出来なくなり
レアメタルなどを含む資源の奪い合いが 世界で静かに起こっているようです。
BFGOODRICHをオーダーいただいていたお客様は
最初4月発売ということで注文をいただいていたのが
4月になってメーカーに確認を入れると 今まだ入荷未定で入荷本数も不明という回答でした。
仕方が無いので お客様に連絡してあれこれ対案を検討される中で
お客さまの友人が あるメーカーのある部署で勤務されていて相談されてみると
欲しいサイズが関東の営業所にあるので販売店を通じて手配できる。
という話を持ち込まれ当方で手配させていただきました。
そのサイズを取り引き先に問い合わせると 欠品で納期未定という回答です。
近在の在庫状況までは把握されいるようですが
関東の営業所の在庫まで探す手間をかけてくれません。
このお客様は ご友人がタイヤメーカーさんに勤務されているので全国在庫にアクセスされたのでしょう。
私たち販売店が ネットでアクセスできる在庫は取引販社在庫ぐらいで
とても全国の在庫まで出来ません、
また販社にしても他県の販社在庫を確認し
移管してくれる交渉に骨を折ってくれません。
何事にも 裏や隠されたやり方があります。
それを知るか知らないかで
販売できるか?
タイヤがありませんと実質のお断わりになるか?
生き残りの境目です。
タイヤ商売を真面目にするのはもちろんですが
公開されていない情報を知って活用することが出来なければ生き残れません。
このお客様からの情報はとても有意義です、
この先のタイヤの品薄感の元が
タイヤメーカーの資源調達不備にあるなら
スタッドレス商戦は早目のタイヤ確保が必要になります。
タイヤが入荷しません だから売れませんでした。
言い訳はタイヤ商売のプロとしては失格です、
ずるく・しぶとく・こそこそと そしてある時は大胆に行かねばなりません。
だからインテリジェンス能力を意識し
得た情報をスタッドレス仕入れに秘め込んでみます、
毎年 タイヤメーカーは6月が中間決算です、
その時に早めのスタッドレス打診が来るのですが 品薄感から高めの商談になるのか?
情報の見極め打診という手が打てます。
メーカーのサイドでは
長年のお付き合いの有力販売店には製品を回し
取引の薄い販売店には厳しいことを言ってくるので
原材料価格の上昇と不足が どういった販売政策として現れてくるか?
小さな販売店の生き残りの知恵を発揮していかねばなりません。
情報とそれからの読みと目ざとい行動など
氷河期に生き残った小動物から学べることはいっぱいあります。
冬越しを終えて新しい葉を出したシダ玉
寒い時枯れて死んだふりしていましたが 春になって姿を現しました。
タイヤ屋頭は 動的なセンス
商売人頭は 静的なセンス
「動と静」のバランス感覚は アマゴ釣りで磨かれたような気がしますが?
アホずらしたタイヤ屋のオヤジは 007のような役割の重要性だけは大事にしています。
ありがたいことです。