運動中、脚がつる経験をした人は多いと思う。
私も何度も経験しています。
「夜に足がつる」という方も多いです。
一般には「こむら返り」といわれたり
医学用語では「有痛性筋痙攣(けいれん)」や
「筋クランプ」ともいうそうです。
痛みを伴う筋肉の痙攣(けいれん)、硬直のことです。
主にふくらはぎである腓腹筋(ひふくきん)で起きることが多いですが
足裏、首や背中、腹筋やふともも、腕などでも起きることもあります。
こむら返りがどのようなメカニズムで起こるのか、
よくわかっていないそうですが
原因としてよく挙がるものとして、
筋肉の疲労や、冷えなどによる血行障害。
運動不足や同じ姿勢を続けたことでの筋肉の硬直や血行不良。
筋肉の柔軟性低下。
発汗などによる脱水で血液中の電解質のバランスが崩れ、
筋肉自体の過敏性が高まって痙攣する。
食事でのミネラルの摂取の不足などあげられます。
運動をしている人に起こる時は,
ウォーミングアップ不足あるいはいったん運動を休み
その間に筋肉が冷えたために
筋肉が充分回復できていないのに
過度の緊張がかかってしまったり,
過度の運動により疲労物質がたまってしまったり,
激しい運動により汗をかいて水分と塩分が失われてしまったりして
起こるものと思われます。
睡眠中に足がつる理由として
一般に、筋肉の細胞は
カルシウム、マグネシクム、ナトリウム、カリウム、水素の
各イオンのバランスによって反応のしやすさが決まるのですが、
健康な人ならば過剰なイオンは尿や汗などから排出され、
反応性がちょうどいい範囲内におさまるよう調節されています。
ところが、睡眠時は汗を多くかいており脱水傾向にあります。
さらに全身をほとんど動かさないため、
心拍数も減り、血行は低下しています。
夜の内に人間はたくさん汗をかいてしかも睡眠中は水分をとりませんので
脱水になりやすいこと,
明け方には足が冷えやすいこと,
さらに寝ていて足先がずっと過度に伸ばされたままになっている
可能性があることなどにより
明け方に足がつりやすいのだと考えられています。
仰向けで重い掛け布団を使うと足首の関節が伸ばされ、
こむら返りが起こりやすくなってしまいますので、
ときどき横向きで寝たり、
軽い掛け布団にしたりするのも有効です。
夏場に冷房をつけっぱなしで寝たり布団をかけずに寝ると、
足の筋肉が冷え血管も収縮し、血行はさらに悪くなります。
こういった悪い状況でイオンのバランスが崩れているときに、
たまたま寝返りをうって筋肉に刺激が加わると、
筋肉の細胞が暴走して
過剰な収縮が発生しやすくなってしまうということです。
糖尿病の人では血糖上昇に伴う多尿のために
一般の人よりもさらに脱水になりやすく,
また肝臓の悪い人,特に肝硬変では,
血液の酸性化や電解質のバランスが
崩れやすいことなどにより起こりやすいといわれています.
こむら返りを起こしやすい病気
イオンバランスの異常
下痢、嘔吐、脱水、人工透析、熱中症
血管病変
血管炎、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤
代謝異常
低栄養、糖尿病、肝硬変
内分泌疾患
甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病
神経筋疾患
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、
筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなど
骨関節疾患
関節炎
薬剤の副作用
高血圧の薬、高脂血症の薬、抗がん剤、
喘息の薬、利尿剤、ホルモン剤、H2プロッカーなど
■予防法
①水分、ビタミン・ミネラル不足には注意が必要です。
汗をたくさんかくと、血液が濃くなって
血めぐりが悪くなることでこむら返りが起こりやすくなる上、
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も失われます。
運動するときや飲酒後には、
水分とミネラル類を一度に補給できる
スポーツドリンクを飲むのがおすすめです。
予防について
①ビタミン、ミネラルについて、
ビタミンEを多く含む食材
(塩分、コレステロールなどが多いので摂リ過ぎには注意が必要)
植物油(ひまわり油・米ぬか油・大豆油・べにばな油)
種実類(アーモンド・カシューナッツ・ひまわりの種・落花生)
魚の卵や肝(あんこうの肝・からすみ・たらこ・いくら・鮎・うなぎ)
野菜(西洋かぼちゃ、大根の葉・赤ピーマン)
マグネシウムを多く含む食材
種実類(ひまわりの種・いりごま・アーモンド・乾煎りの落花生)・
豆類(きな粉・煎り大豆・油揚げ・木綿豆腐・納豆)・
魚介類(干しエビ・カタクチイワシ・するめ・サバ節・あさリ)・
海藻類(あおさ・青のり・昆布・焼きのり・わかめ)・
野菜類(枝豆・オクラ・ゴボウ・ほうれん草・トウモロコシ)
マグネシウムは筋肉の収縮や神経情報の伝達に役立っており、
不足すると筋肉のけいれんを引き起こす場合があります。
カリウムを多く含む食品
バナナ・干しぶどう・落花生・ほうれん草・りんご・牛乳・緑黄色野菜
カルシウムを多く含む食品
乳製品(牛乳、チーズなど)、
小魚、大豆製品
カルシウムには筋肉の興奮性を抑える働きがあります。
②睡眠不足の解消
③適度な運動
④ストレッチやマッサージ
こむら返りの応急処置
安静にして、筋肉を伸ばします。
伸ばすときは一気に無理矢理伸ばすと筋肉組織が損傷し、
肉離れに発展してしまうこともあるため慎重に行って下さい。
伸ばし方は足の親指を持って(つま先全体でも可)、
足を頭の方向へ近づけようとするとふくらはぎの部分が伸びます。
反動は付けずにやさしくゆっくりと深く伸ばすようにすると効果的です。
痛みが引いた直後はできればストレッチや体操、マッサージなどで
筋肉の緊張をとり、疲れを流す、血行を促すのが
理想的な対応です。
妊娠中は子宮が血管を圧迫して血めぐりを滞らせたり、
運動量が減ったりする場合も多く、足に血液がたまりやすくなります。
そのため、疲労物質や発痛物質が滞留してしまい、
こむら返りを引き起こすと考えられています。
中年になるとリスクが高まる?
ではなぜ中年以降で起こりやすくなってしまうのでしょうか。
その理由として、若いときより運動量が減っているため、
運動不測、筋肉量が減少している⇒筋肉内の血行が低下する、筋肉の柔軟性が低下
⇒疲労物質が排出しづらい
⇒末梢神経の興奮を抑えにくくなる
⇒筋肉の細胞が暴走しやすい、ということが考えられています。
規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動および運動後のストレッチ、
ミネラルの入った水分の積極的な補給、
アルコール・タバコの減量、
ヒールが高いような疲れやすい靴を避けるといったことが基本となります。
また、
血液透析を受けている人の場合は,
電解質のバランスが崩れやすい(特にCaは下がりやすい)こと,
血液が酸性に傾きやすいこと,
透析後は一種の脱水状態になっていることなどのためと思われます.
また薬剤によるこむらがえりの報告では,
利尿剤,β-ブロッカー,Ca拮抗剤
そして抗甲状腺剤であるメルカゾールなどの報告があります.
利尿剤は,水分や電解質を強制的に尿中へ排泄させるわけですから
当然脱水や電解質バランスの乱れを引き起こします.
またβ-ブロッカーやCa拮抗剤は共に高血圧症や
狭心症などの治療に使われております.
β-ブロッカーでは筋肉へのKイオンの流入を抑制することにより,
そしてCa拮抗剤では細胞外から筋肉へのCaイオンの流入を抑制することにより
それぞれこむら返りをきたすことがあるといわれております。
今回記載した情報は
一般的な健康情報としてまとめたものです。
次回は整体的な考察も含めて記載いたします。
私も何度も経験しています。
「夜に足がつる」という方も多いです。
一般には「こむら返り」といわれたり
医学用語では「有痛性筋痙攣(けいれん)」や
「筋クランプ」ともいうそうです。
痛みを伴う筋肉の痙攣(けいれん)、硬直のことです。
主にふくらはぎである腓腹筋(ひふくきん)で起きることが多いですが
足裏、首や背中、腹筋やふともも、腕などでも起きることもあります。
こむら返りがどのようなメカニズムで起こるのか、
よくわかっていないそうですが
原因としてよく挙がるものとして、
筋肉の疲労や、冷えなどによる血行障害。
運動不足や同じ姿勢を続けたことでの筋肉の硬直や血行不良。
筋肉の柔軟性低下。
発汗などによる脱水で血液中の電解質のバランスが崩れ、
筋肉自体の過敏性が高まって痙攣する。
食事でのミネラルの摂取の不足などあげられます。
運動をしている人に起こる時は,
ウォーミングアップ不足あるいはいったん運動を休み
その間に筋肉が冷えたために
筋肉が充分回復できていないのに
過度の緊張がかかってしまったり,
過度の運動により疲労物質がたまってしまったり,
激しい運動により汗をかいて水分と塩分が失われてしまったりして
起こるものと思われます。
睡眠中に足がつる理由として
一般に、筋肉の細胞は
カルシウム、マグネシクム、ナトリウム、カリウム、水素の
各イオンのバランスによって反応のしやすさが決まるのですが、
健康な人ならば過剰なイオンは尿や汗などから排出され、
反応性がちょうどいい範囲内におさまるよう調節されています。
ところが、睡眠時は汗を多くかいており脱水傾向にあります。
さらに全身をほとんど動かさないため、
心拍数も減り、血行は低下しています。
夜の内に人間はたくさん汗をかいてしかも睡眠中は水分をとりませんので
脱水になりやすいこと,
明け方には足が冷えやすいこと,
さらに寝ていて足先がずっと過度に伸ばされたままになっている
可能性があることなどにより
明け方に足がつりやすいのだと考えられています。
仰向けで重い掛け布団を使うと足首の関節が伸ばされ、
こむら返りが起こりやすくなってしまいますので、
ときどき横向きで寝たり、
軽い掛け布団にしたりするのも有効です。
夏場に冷房をつけっぱなしで寝たり布団をかけずに寝ると、
足の筋肉が冷え血管も収縮し、血行はさらに悪くなります。
こういった悪い状況でイオンのバランスが崩れているときに、
たまたま寝返りをうって筋肉に刺激が加わると、
筋肉の細胞が暴走して
過剰な収縮が発生しやすくなってしまうということです。
糖尿病の人では血糖上昇に伴う多尿のために
一般の人よりもさらに脱水になりやすく,
また肝臓の悪い人,特に肝硬変では,
血液の酸性化や電解質のバランスが
崩れやすいことなどにより起こりやすいといわれています.
こむら返りを起こしやすい病気
イオンバランスの異常
下痢、嘔吐、脱水、人工透析、熱中症
血管病変
血管炎、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤
代謝異常
低栄養、糖尿病、肝硬変
内分泌疾患
甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、アジソン病
神経筋疾患
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、
筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなど
骨関節疾患
関節炎
薬剤の副作用
高血圧の薬、高脂血症の薬、抗がん剤、
喘息の薬、利尿剤、ホルモン剤、H2プロッカーなど
■予防法
①水分、ビタミン・ミネラル不足には注意が必要です。
汗をたくさんかくと、血液が濃くなって
血めぐりが悪くなることでこむら返りが起こりやすくなる上、
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も失われます。
運動するときや飲酒後には、
水分とミネラル類を一度に補給できる
スポーツドリンクを飲むのがおすすめです。
予防について
①ビタミン、ミネラルについて、
ビタミンEを多く含む食材
(塩分、コレステロールなどが多いので摂リ過ぎには注意が必要)
植物油(ひまわり油・米ぬか油・大豆油・べにばな油)
種実類(アーモンド・カシューナッツ・ひまわりの種・落花生)
魚の卵や肝(あんこうの肝・からすみ・たらこ・いくら・鮎・うなぎ)
野菜(西洋かぼちゃ、大根の葉・赤ピーマン)
マグネシウムを多く含む食材
種実類(ひまわりの種・いりごま・アーモンド・乾煎りの落花生)・
豆類(きな粉・煎り大豆・油揚げ・木綿豆腐・納豆)・
魚介類(干しエビ・カタクチイワシ・するめ・サバ節・あさリ)・
海藻類(あおさ・青のり・昆布・焼きのり・わかめ)・
野菜類(枝豆・オクラ・ゴボウ・ほうれん草・トウモロコシ)
マグネシウムは筋肉の収縮や神経情報の伝達に役立っており、
不足すると筋肉のけいれんを引き起こす場合があります。
カリウムを多く含む食品
バナナ・干しぶどう・落花生・ほうれん草・りんご・牛乳・緑黄色野菜
カルシウムを多く含む食品
乳製品(牛乳、チーズなど)、
小魚、大豆製品
カルシウムには筋肉の興奮性を抑える働きがあります。
②睡眠不足の解消
③適度な運動
④ストレッチやマッサージ
こむら返りの応急処置
安静にして、筋肉を伸ばします。
伸ばすときは一気に無理矢理伸ばすと筋肉組織が損傷し、
肉離れに発展してしまうこともあるため慎重に行って下さい。
伸ばし方は足の親指を持って(つま先全体でも可)、
足を頭の方向へ近づけようとするとふくらはぎの部分が伸びます。
反動は付けずにやさしくゆっくりと深く伸ばすようにすると効果的です。
痛みが引いた直後はできればストレッチや体操、マッサージなどで
筋肉の緊張をとり、疲れを流す、血行を促すのが
理想的な対応です。
妊娠中は子宮が血管を圧迫して血めぐりを滞らせたり、
運動量が減ったりする場合も多く、足に血液がたまりやすくなります。
そのため、疲労物質や発痛物質が滞留してしまい、
こむら返りを引き起こすと考えられています。
中年になるとリスクが高まる?
ではなぜ中年以降で起こりやすくなってしまうのでしょうか。
その理由として、若いときより運動量が減っているため、
運動不測、筋肉量が減少している⇒筋肉内の血行が低下する、筋肉の柔軟性が低下
⇒疲労物質が排出しづらい
⇒末梢神経の興奮を抑えにくくなる
⇒筋肉の細胞が暴走しやすい、ということが考えられています。
規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動および運動後のストレッチ、
ミネラルの入った水分の積極的な補給、
アルコール・タバコの減量、
ヒールが高いような疲れやすい靴を避けるといったことが基本となります。
また、
血液透析を受けている人の場合は,
電解質のバランスが崩れやすい(特にCaは下がりやすい)こと,
血液が酸性に傾きやすいこと,
透析後は一種の脱水状態になっていることなどのためと思われます.
また薬剤によるこむらがえりの報告では,
利尿剤,β-ブロッカー,Ca拮抗剤
そして抗甲状腺剤であるメルカゾールなどの報告があります.
利尿剤は,水分や電解質を強制的に尿中へ排泄させるわけですから
当然脱水や電解質バランスの乱れを引き起こします.
またβ-ブロッカーやCa拮抗剤は共に高血圧症や
狭心症などの治療に使われております.
β-ブロッカーでは筋肉へのKイオンの流入を抑制することにより,
そしてCa拮抗剤では細胞外から筋肉へのCaイオンの流入を抑制することにより
それぞれこむら返りをきたすことがあるといわれております。
今回記載した情報は
一般的な健康情報としてまとめたものです。
次回は整体的な考察も含めて記載いたします。