マーケティング研究 他社事例 742 「シナリオが狂う要因」 ~気候変動というリスク~
ここまで主要作物の近年と今後の動きを見て来ましたが、少なくとも10年後までは不足の心配はないように思えます。
貯蔵が効く穀物は、価格が高騰すると投資が加速し低迷すると投資が控えられると見られます。
供給の増減は経済的事情が大きく、2010年代半ばの供給過多は2000年代後半の穀物の価格上昇が農業設備投資を促したことで起こりました。
しかし、想定通りにいかないのが自然を相手にする農業の難しさでもあります。
例えば、気候変動が極端に起これば、楽観シナリオは大幅に狂います。
ブラジル中西部の大豆の生産地であるマットグロッソ州で9月、森林地帯の火災が激しくなりました。
原因は極端な乾燥で、海の水面温度が下がるラニーニャが背景にあると見られています。
一帯では乾燥による作付けの遅れも目立っています。
国連食糧農業機関(FAO)は、温暖化の影響をまとめた2019年の報告書で「干ばつが作物と淡水の供給を危険にさらす」と指摘し、国連は穀物価格が2050年までに2割以上高まる可能性を示唆しています。
国立環境研究所地球環境研究センターは「海面上昇によって沿岸部の淡水が塩水化し、ただでさえ厳しい新興国の水環境に甚大な影響が及ぶことも考えられる」と説明します。
将来、穀物地帯が次々に気候変動に見舞われる最悪のシナリオも考えられないわけではありません。
気候変動は穀物を減産に追い込むうえバッタ群を発生させるなど副次的なマイナス要素も生んでしまいます。
気候とともに食糧事情を揺るがす要素となるのが、先述した人口の増加です。
今後30年で世界人口が20億人ほど増えるという計算に従えば、増加する上位にインド、ナイジェリア、パキスタン、タンザニアといった新興国が並びます。
地域でみるとサハラ以南のアフリカの人口は現在の約2倍となる見通しです。
国連の劉振民・経済社会問題担当事務次長は「飢饉や栄養不良と闘うという取り組みに対し、人口増が追加的な課題を突き付けている」と警鐘を鳴らしています。
穀倉地帯が大打撃を受ける事態にならないとしても気候変動と人口増が同時に進行する地域は出て来ます。
そこでは収入が劇的に高まるウルトラCがなければ食糧枯渇の条件が整ってしまいます。
食糧が余るところと、足りないところが線引きされるという偏在、つまり格差が今後、さらに広がる公算が大きく、こうした格差は飢饉が遠い世界のことにも思える日本においても他人事ではありません。
日本の食料自給率はたった4割弱で、国策として国産品より輸入品を優先しているためと言えなくはありませんが、輸出国の事情によっては、突如として「不足サイド」に陥りかねません。
格差がもたらす象徴的な現象が食品ロスです。
日本では流通や消費段階で発生し「食べれるのに廃棄される食品」(消費者庁)と定義されています。
2017年度の推定は612万トンで、消費者庁は「飢饉に苦しむ人々に向けた食糧援助量の1.6倍に相当する」と強調しています。
(続く)
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
ここまで主要作物の近年と今後の動きを見て来ましたが、少なくとも10年後までは不足の心配はないように思えます。
貯蔵が効く穀物は、価格が高騰すると投資が加速し低迷すると投資が控えられると見られます。
供給の増減は経済的事情が大きく、2010年代半ばの供給過多は2000年代後半の穀物の価格上昇が農業設備投資を促したことで起こりました。
しかし、想定通りにいかないのが自然を相手にする農業の難しさでもあります。
例えば、気候変動が極端に起これば、楽観シナリオは大幅に狂います。
ブラジル中西部の大豆の生産地であるマットグロッソ州で9月、森林地帯の火災が激しくなりました。
原因は極端な乾燥で、海の水面温度が下がるラニーニャが背景にあると見られています。
一帯では乾燥による作付けの遅れも目立っています。
国連食糧農業機関(FAO)は、温暖化の影響をまとめた2019年の報告書で「干ばつが作物と淡水の供給を危険にさらす」と指摘し、国連は穀物価格が2050年までに2割以上高まる可能性を示唆しています。
国立環境研究所地球環境研究センターは「海面上昇によって沿岸部の淡水が塩水化し、ただでさえ厳しい新興国の水環境に甚大な影響が及ぶことも考えられる」と説明します。
将来、穀物地帯が次々に気候変動に見舞われる最悪のシナリオも考えられないわけではありません。
気候変動は穀物を減産に追い込むうえバッタ群を発生させるなど副次的なマイナス要素も生んでしまいます。
気候とともに食糧事情を揺るがす要素となるのが、先述した人口の増加です。
今後30年で世界人口が20億人ほど増えるという計算に従えば、増加する上位にインド、ナイジェリア、パキスタン、タンザニアといった新興国が並びます。
地域でみるとサハラ以南のアフリカの人口は現在の約2倍となる見通しです。
国連の劉振民・経済社会問題担当事務次長は「飢饉や栄養不良と闘うという取り組みに対し、人口増が追加的な課題を突き付けている」と警鐘を鳴らしています。
穀倉地帯が大打撃を受ける事態にならないとしても気候変動と人口増が同時に進行する地域は出て来ます。
そこでは収入が劇的に高まるウルトラCがなければ食糧枯渇の条件が整ってしまいます。
食糧が余るところと、足りないところが線引きされるという偏在、つまり格差が今後、さらに広がる公算が大きく、こうした格差は飢饉が遠い世界のことにも思える日本においても他人事ではありません。
日本の食料自給率はたった4割弱で、国策として国産品より輸入品を優先しているためと言えなくはありませんが、輸出国の事情によっては、突如として「不足サイド」に陥りかねません。
格差がもたらす象徴的な現象が食品ロスです。
日本では流通や消費段階で発生し「食べれるのに廃棄される食品」(消費者庁)と定義されています。
2017年度の推定は612万トンで、消費者庁は「飢饉に苦しむ人々に向けた食糧援助量の1.6倍に相当する」と強調しています。
(続く)
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣