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マーケティング研究 他社事例 759 「強い人民元」 ~中国は元高(げんだか)も容認姿勢!?~

2021-02-26 09:42:20 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 759 「強い人民元」 ~中国は元高(げんだか)も容認姿勢!?~


堅調な景気回復や先進諸国に比べて金利が高い点が評価されている人民元。

昨年10月には、2年3カ月ぶりの高値を記録するなど中国人民元高が急速に進んでいます。

一昨年までは米中貿易摩擦の激化、2020年初めは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人民元は対ドルで1ドル=7元を超える場面がたびたび見られました。

しかし6月以降は上昇基調に転じ、10月21日には一時1ドル=6.64元と2018年7月以来の水準まで上昇しました。

新型コロナウイルスの発生源と言われる一方、諸外国に比べて一足先に感染拡大が収束し、経済活動が正常化したことが景気回復への期待となり、元高につながっています。

政策金利が3.85%、10年物国債の利回りが3%超と先進諸国と比べて高い点も追い風となっています。

こうした動きを「アメリカ大統領選の影響も大きいのでは」と見るエコノミストもいます。

米中の金利差に注目した元買いといった要因以外にも、民主党のジョーバイデン候補が大統領選を制する可能性が高まるほど元高が進む傾向が見られると分析していました。

大統領選の結果は皆さんもご存知の通り、バイデン大統領が誕生したわけですが、結果、現高基調は続いています。

しかし、急速な元高は、中国の輸出産業にマイナスの影響を及ぼしていますので、中国がこのまま元高傾向を容認するかという問題があります。

昨年の10月には『外貨リスク準備金』と呼ばれる、元売り・外貨買いの為替予約取引の際に契約額の20%程度を準備金として預け入れる制度を撤廃しました。

元売りに伴うコストをなくすことで元売りを促そうとする中国当局の思惑が透けてきます。

もっとも、口先介入程度の関与はあっても、基本的に中国当局の元高容認姿勢は当面変わらないという見方もあります。

元高でも、輸出産業にさほど打撃となっていないためです。

新型コロナウイルスの影響で世界では自宅などで仕事をするリモートワークが進んでいます。

中国での製造が多いパソコンやその周辺機器に正常化した中国からの輸出は増加しています。

また、マスクや防護服に関しては、中国が他国の生産・供給を一部代替している状態です。

多少輸出価格が高くなろうが、中国に対する需要が減少する動きは起こりにくいと考えられます。

また、ドル安が続いている間に人民元の国際的影響力を高めたいとする中国当局の思惑も元高(げんだか)容認姿勢につながっているのではという考え方もあります。

元高が進めば進むほど、多くの投資家が手元に人民元を保有するようになります。

中国政府の一挙手一投足が人民元の動きに反映され、中国の発言力が高まることが期待できます。

強い人民元が次に目指す水準は2018年春につけた1ドル=6.3元だと思われています。

手元では、6.4元の中盤から後半の値動きとなっており、今後の推移も見逃せませんね。

しかし、元高トレンドを阻む潜在的なリスクは存在します。

バイデン大統領が安全保障や人権の問題など、経済以外にもアメリカと中国の意見が対立している問題は残っています。

大きな価格変動に見舞われるリスクは当面拭えませんね。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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