第93回選抜高校野球大会の11日目、今日はいよいよ決勝でした。雨の為に2日順延がありましたが、何とか最終日までこぎつけました。
コロナ禍であっても、プロスポーツは有観客で試合を行うことが当然なのですが、アマチュアの高校野球が有観客で開催されることに違和感や不快感を感じる方がいらっしゃるのは仕方ありません。しかし、屋外スポーツの野球が球場に一般客が入ったとしても、感染するリスクはほぼないと考えることは、ごく自然の流れだと思います。生徒や保護者のみ入場可能だとしても、宿泊などを伴うとすれば、その感染リスクを考えたら一般客よりも高いと言えますからね。
今日行われた決勝の対戦カードです。
▽決勝
東海大相模-明豊
10年ぶり3回目の選抜優勝を目指す東海大相模と春夏を通じて初の日本一を目指す明豊の対戦となりました。大分県勢とすれば、昭和42年の選抜を制した津久見以来54年ぶりの選抜王者を目指すこととなります。
下馬評では左腕・石田を要する東海大相模が優位という声が多く見受けられますが、全国津々浦々の高校野球愛好家と更に言えば日本人の体内に脈々と流れる判官贔屓の血が明豊の優勝を願っているのです(笑)
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決勝の試合結果です。
▽決勝
明 豊
100 100 000│2
100 010 001x│3
東海大相模
(明)太田・京本-簑原
(相)石川・求・石田-小島
何度か高校野球の話題の中で触れてきましたが、そもそも東海大相模は今春の大会に選抜されるかどうかを論じた場合には、落選の公算の方が高い学校でした。
昨秋の関東大会の勝ち上がりを振り返ってみます。
【秋季関東大会】
▽1回戦
健大高崎 6-1 日本航空
国学院栃木 6-5 東京学館
常総学院 9-0 前橋商
鎌倉学園 11-7 昌平
東海大甲府 8-1 細田学園
専大松戸 8-0 鹿島学園
東海大相模 7-0 石橋
▽準々決勝
東海大甲府 2-1 東海大相模
健大高崎 8-1 国学院栃木
常総学院 9-1 木更津総合
専大松戸 6-0 鎌倉学園
▽準決勝
健大高崎 9-2 専大松戸
常総学院 10-0 東海大甲府
▽決勝
健大高崎 9-7 常総学院
関東・東京で「6」というのが一般枠の出場校数です。ちなみに東京大会の決勝スコアは以下の通りでした。
【秋季東京大会】
▽決勝
東海大菅生 6-1 日大三
つまり、東京大会2位校の日大三との最後の6枠目を争うことになったのです。東海大相模は準々決勝敗退ですが、その試合は接戦でサヨナラゲームでした。当然、選抜大会の選考机上に乗って然るべきなのですが、問題は敗れた相手の東海大甲府が準決勝で常総学院に「0-10」で敗れたことで、かなり難しい立場に置かれることになりました。
過去の甲子園での実績は日大三と東海大相模はほぼ同格ですし、面倒くさい選考になったと思います。
さて、関東・東京の選考経緯を引用します。
まず関東大会4強を選出した。2連覇の健大高崎は3番・桜井、4番・小沢を中心に4試合計8本塁打、32得点の打力を評価。準優勝の常総学院は健大高崎と遜色ない打線に加え、最速140キロ超の右腕・秋本の潜在力が買われた。守備力に優れた左腕・若山を擁する東海大甲府、スライダーにキレがある右腕・深沢がいる専大松戸の4強勢は主戦の評価が高かった。東京大会優勝の東海大菅生は左腕・本田の安定感と6試合5失策の守備が認められた。 関東大会8強の中では、昨夏のセンバツ交流試合で好投した長身左腕・石田の存在感が光る東海大相模が抜きん出ており、東京大会準優勝の日大三との比較で6校目を選考。決勝で攻撃が淡泊だった日大三より、バント安打を絡めた得点など打撃で新境地を見せた東海大相模に分があると判断された。
過去にもあった不思議ちゃんの選抜理由に入りそうな「バントを絡めた打撃で新境地枠」と揶揄されたかも知れないところを甲子園の頑張りで払拭したのですが、落選していてもおかしくなかったのは間違いないでしょう。
また、対戦相手の明豊ですが、こちらは九州大会の4強で優勝校の大崎に準決勝では1点差で惜敗しており、文句なしに選抜されてはいます。しかし、新チーム結成後に川崎絢平監督から「俺が監督になってから、史上最弱だ」と叱責された選手たちはコロナで夢を追うことができなかった先輩たちの無念を晴らすことを含めてひたむきに練習に向き合ったそうです。
そういう両チームの対戦ということも、今大会のハイライトとしては面白いと思って見ていました。
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さて、同点のまま9回裏を迎えた試合ですが、1死満塁と攻めた東海大相模が小島の遊撃内野安打でサヨナラ勝ち。かなり極端な前進守備を敷いていた明豊のショート・幸が飛びつきましたが僅かに及ばず、紙一重だった試合の幕が下りました。東海大相模の石川、求、石田の3投手、そして明豊の太田、京本の2投手とも最少失点で踏みとどまって好投しました。東海大相模の石田は大会を無失点で投げ切りました。大塚主将の病気離脱というピンチも監督の次男・門馬功副主将が主将代行を務めチームをまとめました。
「この試合も、明豊高校がいてくれたからできた試合だと思っています。まず明豊高校の皆さん、ありがとうございました」と明豊に謝意を示した門馬監督は「この大会を開いてくれた多くの関係者の方にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました」と結びました。
選抜は今日で閉幕しました。何よりも日程が順調に消化できたことを嬉しく思います。
次は夏へ向けての挑戦ですね。球児の頑張りに大人が応えてあげてほしいと思う今日この頃です。
お疲れ様でした。