2009年入団選手は全国的に突出した選手が多く、岩坂(久光)や卜部(岡山)など「高校四天王」と呼ばれる逸材が多く輩出された世代です。シーガルズにもこの年、4名の高卒新人が入団しました。「高校四天王」の1人で、フジテレビの春高中継時につけられたキャッチフレーズが『フライング・ビューティ』で、全国的に注目を集めた大阪国際滝井の卜部里菜、倉敷翠松のセッターで国体岡山県代表だった瀬尾有耶、九州の名門の九州文化学園出身で「四天王」の1人である東レに入った峯村沙紀と同級生のシーガルズ現キャプテン・川島亜依美の3人とともに、近江高校から入団したのが無名のリベロで身長159cmの丸山亜季でした。
出典:https://twitter.com/oremiya14/status/1203976827221331968
この4人のルーキーは全員の血液型が「B型」だったこともあって『B4』と呼ばれていた頃もあります。4人の中では当然ですが、高校時代の実績が豊富な卜部や瀬尾が注目される一方で、九文出身とはいえレギュラーではなかった川島と全国的な知名度のなかった丸山の2人はシーガルズの中でも台頭してくるのが遅くなりました。丸山の話題といえば、中日に入団した小熊凌祐投手が同級生にいるという程度でした(笑)
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今から思えば、故障などの事情があったとはいえ、瀬尾や卜部が早くに引退したのに対して、無名で注目度が低かった川島と丸山が長くチームの主力として活躍し、代表メンバーにも選ばれて世界で活躍する選手に成長したというのも、「事実は小説より奇なり」ではないですが、現実世界では「あるある」の一つだと思います。
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その現在、チームの副将でもある丸山が現役引退を発表しました。本人が引退の理由として挙げている「トップリーグで戦う高いレベルの気持ちを維持することが難しくなった」という言葉は真実だと思います。元々、小さな身体でトップ選手として活躍できたのは気持ちの強さがあったからだと思います。更には「ここまで12年もプレーを続けられたのは我慢強く指導し、見守ってもらった河本監督や仲間のおかげ。今後は経験を生かし、チームの魅力を多くの人に知ってもらえるよう力を尽くしたい」という理由でチームスタッフとして残ってくれるそうです。
これによって、黄金世代と呼ばれた「2009年組」は、川島キャプテン1人になってしまいました。
一つだけ残念なのはVリーグで表彰対象となる通算試合出場数がその230試合に9試合足りない、221試合で終わることです。しかし、ボロボロになるまで頑張り抜くことが美徳とされなくなってきた昨今の傾向などもありますし、競技から完全に離れてしまう訳でもないので、今までの頑張りに感謝し、引退をお祝いしたいと思います。
もう一つ残念なのは、彼女の最後の晴れ舞台になる筈だった黒鷲旗がコロナ感染拡大に伴う大阪府内の緊急事態宣言発出によって中止が決まってしまったことです。黒鷲旗を区切りとして新たな人生に踏み出す選手が数多くいるのですが、その場を奪われてしまって悲しい気持ちの選手も少なくないでしょう。
コロナがスポーツ競技に暗い影を落としてからもう1年以上経っているというのに、この現状というのは、人類に学習能力が著しく欠けているのか、はたまた何かの組織の陰謀なのか? メディアの対応を見続けてくれば、陰謀論の方がかなり信憑性が高いと感じますよね。
丸山さんと呼ぶよりもコートネームである「クミ」さんと呼ぶ方がしっくりくるでしょうね。
クミさん、長きにわたる現役生活、お疲れ様でした。岡山の為に頑張っていただいてありがとうございます。そして、これからもシーガルズの為にご尽力いただけることは非常に嬉しく思います。試合会場でお会いしましょう。お元気でご活躍いただくことをお祈りいたします。
私にとっての『岡山の守護神』は誰が何と言おうと丸山亜季、その人でした。シーガルズの背番号「20」の躍動する姿は絶対に忘れません。
ありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。