今回の東京オリンピックでの女子バレーの日本代表の惨敗ぶりには目を覆うものがありました。ケニアに勝っただけの1勝4敗、楽に勝てるはずだった韓国やドミニカ共和国にも敗れるという体たらくです。アトランタ五輪以来のグループリーグ敗退というのは、最も五輪で高い実績を残してきた女子バレーの歴史においても汚点となりました。
何年も前から「中田監督では勝てない」と言い続けてきた私としても、この惨状は予想以上でした。何が悪かったのか? 色々ありますが、選手の責任よりもやはり指導陣の考え方が間違っていたと言えそうですね。それは、日本代表の男子が予想以上に健闘して準々決勝に進んだことを見ても、その間違いにもっと早く気づけなかったのかという不信感は強くあります。

まず、今回の東京オリンピックでの日本女子の戦いの後を確認します。
*7/25
日本 3-0 ケニア
┌25-15┐
│25-11│
└25-23┘
*7/27
日本 0-3 セルビア
┌23-25┐
│16-25│
└24-26┘
*7/29
日本 0-3 ブラジル
┌16-25┐
│18-25│
└24-26┘
*7/31
日本 2-3 韓国
┌19-25┐
│25-19│
│22-25│
│25-15│
└14-16┘
*8/2
日本 1-3 ドミニカ共和国
┌10-25┐
│23-25│
│25-19│
└19-25┘
にほんブログ村
issanはだいぶ前から、シーガルズのサーブレシーブが低いと指摘し付けてきました。「サーブレシーブは高く上に上げろ」と言い続けて来たのですが、その声が届くことはありませんで、今日までサーブレシーブの課題を引きずったままで推移しています。
サーブレシーブ(レセプション又はキャッチと最近呼んでいますが、昭和人間としてはサーブレシーブもしくはサーズカットと呼びたいのでご容赦くださいね)の最近の世界の風潮は高く上に上げるというのが絶対的主流です。何故なら、高いレシーブを上げていればセッターが多少動いたとしても余裕を持ってトスアップできます。更に、攻撃陣がリベロを除く4枚だとすれば、サーブレシーブからトスアップまで時間を稼ぐことによって、万全な攻撃態勢を作ることができます。高さとパワーが主体の今のバレーボールでは高くゆったりしたレシーブは必須項目なのです。
それに対して、高さとパワーに劣る日本の場合は、とにかく速さにこだわり続けてきました。サーブレシーブも低く速くセッターに返すことにずっとこだわり続けました。その結果、アタッカー陣は余裕のない状態でスパイクに入らないといけなくなり、手打ちのスパイクはブロックされるか簡単に拾われてしまいます。既に入りの段階で方向性が間違っていますから、世界の中で勝てる訳はありませんね。少なくとも相手が本気で戦ってくる世界大会では太刀打ちできる筈もありません。しかも、無観客ですからチームの後押しもないのです。勝てる道理は始まる前からなかったと言えます。

セッターの人選にはもう何も言うことはありません。このチームに宮下が入ろうが、他の誰が入ろうが、さっぱり機能しなかったのは明白です。せめて今後はスポンサー企業やメディアにおもねるような選手の選び方だけはやめるべきだという、この希望だけは叶えてほしいものです。
にほんブログ村
中田監督の退任は間違いないのですが、次期監督候補にあがっているのが吉原知子氏ですね。女子の監督は歴代綿々とセッター出身の監督が続いて来ました。アタッカー出身で昭和の「根性バレー」の申し子のような吉原監督になれば、かなり雰囲気は変わると思いますが、JTでの指導法を見るとかなり現代にフィットしていると感じます。決まってないので何とも言えませんが、「3人寄れば派閥ができる」女子バレーの世界では、頭ごなしの根性バレーの方があっているのかも知れません。柳本監督の時にそれで何人かの選手が故障などで選手生命を絶たれた苦い経験が残っているので簡単な話ではないのですが・・・!?
まあ、少なくとも今よりはましだと考えてレベルアップをお願いしたいものですね。
よろしくお願いします。