101回目の決勝が行われました。岡山勢初の大会制覇を目指す岡山学芸館と京都勢55年ぶりの日本一を狙う東山の決勝、大会前は両校ともそこまでの注目は受けませんでした。学芸館に至っては、完全にノーマークだったでしょう。両校ともシードされずに1回戦から登場したのを見ても、予想外の決勝組合せになったことは確かだと思います。
▽決勝
*国立競技場
岡山学芸館-東山
どちらが勝っても初優勝となる決勝は、14:05キックオフでした。
早速、試合結果です。
▽決勝
*国立競技場
岡山学芸館 3-1 東山
前半:1-1
後半:2-0
得点者:
25分 O G (学)
44分 真田蓮司(東)
52分 木村匡吾(学)
85分 木村匡吾(学)
⚽チームとしての力だけでは勝てない団体競技の特徴が最も如実に表れた大会だったのではないでしょうか? 過去にもノーマークの学校が何度も大会を制覇しているのが高校サッカーです。最もジャイキリが起こり易いのもサッカーです。
堅守が特徴だった岡山学芸館が決勝でもピンチの連続を耐え続けながら、少ないチャンスをものにして「3-1」の快勝。今大会では結構点を取りました。点の取り合いになった2回戦の鹿島学園戦、準決勝の神村学園戦を競り勝った試合や、ひたすら相手の攻撃を耐えながらスコアレスでPK戦を制した國學院久我山戦。どんな展開になっても諦めることなく先を目指した姿勢が頂点を手繰り寄せました。プロに進む選手が1人もいない今年のチームがビッグネームを擁する優勝候補を次々に撃破して、県勢初の全国制覇を成し遂げたことを嬉しく思います。
それが、issanの母校と道を隔ててお隣さんの学芸館だったというのが驚きです。16年前、作陽があと一歩まで迫りながらつかめなかった優勝を、昨年までベスト16が最高成績だった学芸館が奪い取るというのも、ドラマとしては最高のストーリーで、シナリオとしても書けないであろう究極の筋書きのないドラマの一頁になりましたね。
2023年の新春に岡山県代表が頂点に立つ。
予想だにしなかったサッカーで日本一になる。
長らくサッカー後進県と揶揄され続けてきた岡山が、紆余曲折を経て辿り着いた頂点は、県のスポーツ史に大きな輝きを放ちました。それが20年前には注目されることもない弱小サッカー部だった岡山学芸館によってもたらされるというのも、ドラマとしては決して書けないサプライズです。
この快挙に岡山全体が続いて欲しいと願っています。
ちなみに16年前の相手の県に当時、居住していました。(笑)当時は、優勝パレードを見に行きましたよ。しかし今、岩手は「大谷翔平一色」という雰囲気になり、思えばティーエンジャーはあの快挙をたぶん、伝説程度でしか知らないのでしょうが。(私は楽天イーグルスですが)月日の経つのは、本当に早いですね。作陽は寡占状態は終わったのですかね?
ちなみに、私にとってもう一つ凄い偶然があるのを知りました。
女子の全国制覇を果たした藤枝順心の中村監督は何と岩手の出身で、この時の盛岡商業メンバーだそうです。藤枝順心メンバーにはその関係か、岩手出身の選手もいるそうです。
女子の東海地区では、母校もかなり強豪なのですが、何しろ全国の精鋭も集まる藤枝順心には毎回歯が立たず、今回は全国で敗れています。そんな藤枝順心の監督が、その後の人生で長年お世話になった土地の出身で地元を狂喜させた日本一メンバーとは、凄い巡りあわせだな・・と感じました。
いつか、女子サッカーも観てみたいものですよ。
20年前は学芸館野球部が選抜に出場した直後で、グラウンドは野球部が独占しており、鐘紡の工場跡地の精緻もされていない土の上で練習していた頃を思えば隔世の感があります。今では照明完備の練習場を持つ強豪チームになりました。部活動が強くなり、有名になってくれば学校も次第に良くなるという好循環も生まれて来ました。
16年前、作陽が盛岡商に逆転負けして届かなかった頂点ですが、学芸館にとっては決勝の相手が公立の大津ではなく、私学の東山だったことも良かったのかなと思います。公立校には絶対的な贔屓が働きますからね。それはどうしても避けられない現実です。
作陽は津山から倉敷へ移転する予定で、今は過渡期かと思います。チームの絶対的指導者だった野村監督が代わったことも大きいと思いますが。
女子は力の差が明確に結果に出ますが、男子は力の差を補う戦略が浸透して来ました。これからも本命なき戦いが続くと思っています。
一方、我が千葉は日体大柏が初出場(インターハイも含めて初なのでしょうか?)ベスト8でしたが、県内では「物足りない」という声があるようです。同じ千葉でも高校野球で甲子園ベスト8ならば、「よくやった!」と称賛の嵐となるので、私は違和感を感じてしまいます。一応、今年春に春夏通じて四回目の甲子園出場となる専大松戸はベスト8をねらえる戦力があると見ていますが、昨年春の木更津総合の時は外れました………(苦笑)。
2006年度大会の作陽の準優勝が過去の県勢一度きりの4強以上で、唯一の国立出場でしたから、優勝するとは誰も思わなかったと思います。
岡山はサッカー後進県ですから、学芸館の全国制覇に対しても喜び爆発とは行かないようで、野球と比べると浸透していないと感じる今日この頃です。
昨今は高校野球がさっぱり駄目なので、この優勝は嬉しいことに変わりはありませんが。